福田政権登場の歴史的意味
本来ならとっくに店頭に並んでいるはずの単行本がいろんな事情から遅れに遅れて、そのため、来週からは仕事場で缶詰状態になりそうです。
福田総理が特定失踪者の方々との会見を断りました。彼の視線は拉致被害者家族や日本国民に向けられてはいません。ワシントンと北京に注がれているだけです。私が『拉致処分』(ビジネス社)のなかで指摘してきたように、日本側の最大の弱点は『誰が拉致されているのか』『総数はどのくらいなのか』がわかっていないことで、そこを米国や中国政府からつかれると具体的な反論ができず、拉致日本人全員の奪還ではなく、一部「帰国」で手打ちにするという条件闘争になる構造を解消できないままだということです。
首相が特定失踪者関係者と会おうとしないのは、被害者の認定を最小限度にしておきたいからで、つまり事実上切り捨ててゆくと言う決意表明でもあり、関係諸国への外交的シグナルであると判断すべきでしょう。
福田政権登場の歴史的意味は冷戦以後日本社会の深部からマグマのようにわきあがってきた国民の正当なナショナリズムを現存の東アジア秩序と日本の戦後体制のなかに封印することにあります。当然、日本の外交的軍事的『自立』を追及することなどありえないし、自国の防衛を日米安保体制のなかに封じ込めておくという方向性は一層強まる。それを民主党を中心にした野党勢力も支持するという『戦後翼賛内閣』のカラーを色濃くもっているのです。この政権の最大の敵は野党ではない。地下でマグマのように沸騰を始めた日本国民の怒れるナショナリズムなのである。政権の最初の課題はまず日本人拉致被害者切捨てと日朝正常化シフトにあり、今回の『事件』はその最初のワンステップです。
「拉致処分」の動きは来年早々具体的に目に見えてくる。そのころ、ちょうど確定申告も始まります。自国民も救えない政府が国民に対して納税せよ、などとはチャンチャラおかしい。さらに笑わせるのは、日本人も奪い返せない政府がそれだけでは足らずに、税金で、同胞を奪い謝罪もしない最悪の独裁政権を支援しようと言い出すことなのです。これが正しい税金の使い方なのでしょうか。皆さん。
その一方で面妖なのは『救う会』がこの件についてなにも公式に発言をしていないことです(30日現在)。特定失踪者は無関係だということなのかどうか。こうした政府追従策は内部を混乱させ、運動の障害にしかなりません。昨今の情勢分析も主観的で、ブッシュが東アジアで日本ではなく、中国を選択しているのだという現実が見えていない。なぜ6者協議のホストが中国だったのかを冷静に分析すべきでしょう。
朝鮮半島『デタント』はそれだけで動いているわけではない。それは東アジア全般の政治情勢のワンオブゼムにすぎないのです。
インサイド情報
中国が北の茂山の鉄鉱石など資源漁りに目の色を変えているの、有名な話だが、そうしたいくつかの中国系開発企業のなかに、ブッシュ大統領ファミリーの関係する一大コングロマリットがあることはほとんど知られていない。同社は政商と噂され、北朝鮮の大規模資源開発プロジェクトにすでに調印ずみだ。中国の北朝鮮『併呑』化は着々と進んでいて、それが北朝鮮の対米接近に拍車をかける。北は伝統的外交手法である『遠交近攻』外交に生き残りをかけている。(遠=米国、近=中国である)
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