2008年4月記事一覧
在野で長く朝鮮研究を行ってきた「NKの会」で講演をさせていただきました。会員メンバーは朝鮮研究の権威の方ばかりで、話す私のほうが恐縮してしまうようなハイレベルな顔ぶれでした。
中心テーマは3つ。
①「中国と北朝鮮の現実の関係」
②「胡錦濤に謝罪をさせられた金正日とは」
③「朝鮮有事と中国の対応」
です。
①については国際的孤立化と経済の解体が進む北が、唯一の「支援国」である中国に首根っこをおさえられ、朝貢化が進んでいること
②その具体例として、昨年11月中国外務省系列の国際情報誌「世界知識」が金正日の露骨な米国接近と中国外しに対して怒りの特集を組んでいること、今年1月の王家瑞・中国中央連絡部部長の訪朝の際、金が「中国との信義を裏切らない」と誓約させられている事実などをあげておきました。
話がヒートアップしたのは③です。金亡き後、北朝鮮国内が混乱した際に、中国軍がどう動くのか、これが参加者の間で大論争になり、知的刺激に満ちた3時間となりました。
間違いなく、北朝鮮は崩壊に向かって、進んでいます。「将軍様」金正日のカリスマ性の崩壊化と指導力のなさ、それと権力基盤の喪失が表面化してきました。
私は5年前から米中関係の関数としての朝鮮半島問題を指摘してきました。そうした見方を「北朝鮮処分」「拉致処分」、そして今年1月に刊行した「敵国になり得る国米国」であきらかにしてきましたが、それがようやく一般にもコンセンサスを得てきたことを実感しました。
ポスト金の時代を現実的に想定して、朝鮮半島を観察することの重要性と緊急性を改めて確認した1日でした。在日の方々の口から「朝鮮民族千年の敵は中国」との本音も飛び出しました。「朝鮮村」は優しい方ばかりでした。ありがとうございました。またやりましょう。
(中国と北朝鮮の実際の関係については「おほやけ」最新号に書きました)
お詫びです。
4月20日(日)、福岡で「南京の真実」の上映会が行われました。私もチャンネル桜の水島社長とともに参加して舞台挨拶をさせていただくつもりで、このブログや桜の掲示板で予告させていただいたのですが、肉親の急病で、やむなく出席をキャンセルせざるを得ませんでした。当日会場に足をお運びの方々、また水島社長以下桜関係者の皆様、さらに最もご苦労された上映実行委員会の方々に心からお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした。
いずれまた別の機会にお会いできることを切に願っております。
11日の「愛国攘夷の足音」で指摘しておいたように、五輪聖火リレーをめぐる中国内外の騒動は中華ナショナリズムに火をつけたようです。
フランスの大手スーパー「カルフール」への大規模な抗議行動ばかりかネットでは米国のシンボル・ケンタッキーフライドチキンなども新たな標的にされているようです。
燃え上がる国民のアンチ欧米感情の取り扱いを巡って、中国政府は危うい綱渡りを余儀なくされています。だが、このままなら、いずれ、噴出する排外的なナショナリズムは当局の思惑を超えて、爆発するでしょう。彼らには大義名分がある。歴史上初の偉大な民族の祭典を海外の反中国分子の策動から守るという民族的大義です。
この一点で聖火防衛隊やデモ隊は確実に連帯感を強めている。その国民の情念が五輪開催までに暴発する可能性はあるし、競技の開催中に審判のジャッジや応援をめぐって、巻き上がることも否定は出来ない。
私の目には今回の事態が89年、ゴルバチョフソ連書記長の中国訪問とデモ隊の天安門広場への座り込みを経ることで、民衆の一体感を生み出し、あの天安門事件を爆発させた故事と重なります。海外のメディアが注目していた点までそっくりです。
天安門事件は単なる民主化闘争ではなく、背景には共産党の腐敗の蔓延とインフレへの不満がありました。そうです。当時の背景と今現在の中国の現実に特に違いはないのです。共産党不信と階層格差など社会経済矛盾への怒りが、「愛国」に姿を変えて爆発しようとしている。なにもかもが同じ構図なのです。
外国スーパーに対する抗議行動は単なる始まりにすぎない。やがて阿Qたちの攘夷が世界に向けてさらに爆発する光景を私たちは目撃することになりそうです。
15日の初めてのキャスターは何とかこなしました。これも桜林美佐さんと桜のスタッフの好フォローのお陰です。番組の内容は桜のS-TVで全て見ることが出来ます。アジア開発銀行の中国向け融資が中国政府が99年から始めた「西部開発」政策に連動して行われており、これが事実上漢民族の少数民族同化をバックアップする結果になっているのではないのか、と問題提議しました。
アジア開発銀行からの回答は「政治的事項についてはコメントできない」という木で鼻をくくったようなものでした。こうした事実が世界のチベット支援団体に広まると、日本がアジア開発銀行に最大の出資をし、(全体の16%)歴代総裁も財務省高官が天下りしていることの意味が問われかねません。チベット日本事務所の抗議と危惧の声も取材しました。
西部のインフラ整備支援は2002年度から円借款から消えています。軍事的転用を危惧したためです。このように、外務省が廃止した交通インフラ整備に財務省が影響力をもつアジア開発銀行はさらに融資を続けているのです。いずれ米朝和解の際、ここから北朝鮮支援、なかでも羅津港の近代化に膨大な支援が予定されています。日本外交との連動性を欠いたアジア開発銀行の中国・北朝鮮支援とはなんなのか。納税者の監視が必要です。しかし表現の自由を記者会見で語る識者たちからはこうした「地球市民の声」「世界との共生」が聞こえてこない。「自分たちだけ」の表現の自由。「自分たちだけ」が地球市民。バカらしいですね。
しばらくブログ休みます。
チャンネル桜で、15日(火)午後8時から9時半まで90分間、「桜プロジェクト」のキャスターを務めます。初めてのことで少々緊張していますが、大ベテランの櫻林美佐さんがご一緒なので、ひとまず安心です。
テーマはチベットや新疆ウイグルへの日本からの経済援助、なかでもODA(政府開発援助)で、すでに中止されている鉄道や道路など交通インフラ分野への援助が、いま現在も、財務省が影響力をもつアジア開発銀行(ADB)から続いていること、さらにその額も膨大なものであることを具体的な数字をあげて、報告します。この道路を通って、解放軍、人民警察部隊の最新鋭の軍事トラックが「反乱」の鎮圧に向かったのです。
日本の新聞やテレビがADBを取り上げる際には必ず総裁のインタビューなど「ヨイショ」記事ばかりになりがちで、国民もほとんどこの国際援助団体について知らされていません。中国政府の「西部開発」への批判を欠落した援助のもつ危険性を取り上げます。こうした報道も大手スポンサーがついていないからこそ可能なのです。
桜が4月から始めた「桜プロジェクト」はちょうど、映画「靖国」上映をめぐる「言論弾圧」なるバカ騒ぎがあったこともあり、独自取材が光りました。ことは田原総一郎や筑紫哲也ら、ホンモノの独裁政権には沈黙するだけの「ジャーナリスト」たちが、稲田朋美さんや有村治子さんたち、勇気を持って立ち上がった女性議員に対して事実無根の誹謗中傷とレッテル張りに終止したものでした。こんな手合いが日本男児だと思われたのではたまりません。
ふたりを過去、「宝島リアル」で批判したことがあります。前者は日本で横田基地の軍事情報を不法に入手しようとした中国人情報関係者が「朝まで生テレビ」に出演し、靖国神社参拝や歴史認識を激しく罵倒していた事実を紹介し、「なぜ中国人情報関係者に≪日本人の歴史観は間違っている≫と批判されなくてはならないのか」「彼が解放軍の諜報関係者である事実を知った上で番組に出演させたのか」を質問したことがあります。まともな回答はありませんでした。また田原は中国向けODAへの私たちからの批判は「中国を叩く目的で行われたものだ」とも決め付けているのです。ナント政治主義的な発言なのでしょう。取材すらしてもいない≪ジャーナリスト≫の中国お追従の姿勢が今回の「靖国」と重なります。
中国人情報関係者を番組に登場させて、反日アジテーションをさせ、対日情報戦略に加担した田原総一郎。あるいは来日した朱容基首相に対して「日本はこれまで正式に中国に謝罪したことはない」と言い切った筑紫哲也。この男は中国の首脳にインタビューするのに事前に「日中共同声明」すら読んでいなかったのです。
こんな極楽トンボなお二人が事実関係も調べずに、平和な日本で、あたかも国を憂うかのような顔をしながら行ったのが、緊張感のない予定調和な≪抗議≫だったのです。基本的な取材を怠った≪ジャーナリト・知識人≫に抗議の資格はない。独裁政権に対する仮借ない批判を続けている中国の本物のジャーナリストは抗議の場すら奪われながら、しかしいまでも刑務所か労働改造所のなかで戦っているのです。
それにしても会見に同席した鈴木邦男という「新右翼」はどうにかならないものでしょうか。事実の検証もないまま、言論を守れというだけでは無責任です。
あれで自立した民族派だと強弁するのなら城山で西郷ドンは泣いているでしょう。いつか、彼とは、平田国学から吉田松陰、西郷隆盛から明治維新、西南戦争論、さらには頭山満の玄洋社、内田良平の黒龍会や宮崎兄弟のアジア主義、辛亥革命から毛沢東革命まで論争してみたいと思います。
アジア情勢が動き始めたようです。
朝鮮半島もそうですし、五輪をめぐる世界と中国国内の動向にもそれを感じます。
8月8日から始まる北京オリンピックは間違いなく荒れる。五輪は史上初の世界的イベントとして否が応でも「中華ナショナリズム」を強く刺激する。その一方でチベット弾圧を契機にした世界的な中国非難も拡大するばかりだからです。
これが中国市民の「歴史的被害性」を刺激する。「恥辱の近代史」を五輪開催を通じて、乗り越えようとする中国人の国民意識は国際的な「人権を利用した内政干渉」に対して大きな反発を見せるはずです。
競技会場の内外で大規模な活動家と中国市民の衝突もありえるはずで、北京オリンピックは13億の愛国攘夷が爆発する舞台になろうとしています。
北京に住む中国の知人が天安門事件の後、口にした言葉が忘れられません。「何が人権ですか、中国が強くなるのがいやなだけ!それが本音ではないのですか」。
西側の経済制裁に対して語った言葉です。
今回のチベット蜂起をきっかけにした五輪批判も彼らの目には「中華民族の偉大な祭典」への国際的な妨害としか映らないのです。
歴史の被害者意識を過剰なまでに胸に刻む中国人(漢民族)たちの視線のなかには、中国人によって歴史も文化も抹殺されていく他民族の悲劇は存在していない。彼らの歴史観と世界観が変わらない限り、世界はこれからもチャイナプログラムに悩まされ続けるでしょう。
選ばれしものの恍惚と不安。ふたつ我にあり。五輪の熱狂が恍惚を、そして、足元まで迫る市場経済による国民の分解が社会不安を高めます。政治の季節が始まろうとしてます。
もう4月。街の櫻も散り始めています。新年度入りということで一部今後の活動の紹介をさせていただきます。
①「表現者」(富岡幸一郎編集長・西部邁顧問)に次回から毎回、定期的に中国アジア情勢について連載します。
第一回は「毛沢東と西郷隆盛」について触れ、90年代から本格化した中国の反日キャンペーンがいかに歴史的事実を歪めた内容のものなのかをあきらかにします。若き日の毛が明治維新、なかでも薩摩藩の倒幕運動に強い関心をもっていたことはよく知られているし、そればかりか彼が日露戦争においても日本に強いシンパシーを持ち、その勝利を歓迎していた歴史的事実をわたしたち日本人も知っておくべきでしょう。
これは毛が犯したさまざまな政治的過ちとは別に、事実として頭に入れておくべき歴史認識だと思います。毛ばかりではない。ロシア革命の指導者レーニンも「旅順の陥落」のなかで「生まれたばかりのみずみずしい日本の勝利」を「反動的で遅れたツアーリのロシアの敗北」と比較して、その感動を表明しています。
昨今の左右の論争の不毛さは両者のイデオロギーが相互に影響しあっていた事実を直視していないことにあります。左ばかりではありません。右もまた明治維新と日露戦争の世界史的意義を本当に理解しているのかどうか。それがアジアの民族派革命家だけではなく、毛やレーニンなどコミュニストたちへも強い思想的影響を与えていた事実も事実に即して、論じられるべきでしょう。そうした知的営為こそが江沢民以来の愚劣な反日排外主義歴史観に対する反撃になりうるのです。
映画「二百三高地」(笠原和夫脚本)の予告編にレーニンの「旅順の陥落」のフレーズが使われていて、東映商法の臆面のなさとリアリズムに妙に感動したことがあります。また今月発売号には「太子党と米国ビッグビジネスの隠された関係」について短く触れました。
②4月10日(木)、11日(金)と、チャンネル桜の「闘論!倒論!討論!2008」に出演します(20:00〜21:30)。「胡錦濤訪日と今後の日中問題」がテーマになります。
一部に胡来日が中止になるのでは、との観測もあるようですが、それはまずない。胡来日が中国の外交戦略上どういう意味を持っているのかがわかっていれば、胡のキャンセルはありえない話です。国民感情がどうであれ、福田総理の姿勢に変化がない限り、来日は実現します。
また4月15日(火)の「桜スペシャル」(20:00〜21:30・90分)でも初めてキャスターを勤めます。お相手は櫻林美佐さんです。具体的な中味はおって紹介します。
同様に、桜関連では4月20日福岡で開催される「南京の真実」上映会に水島総社長と一緒に参加、「中国の対日情報戦」について、お話させていただく予定です。田原総一郎と中国政府の関係を紹介します。また5月1日の九段会館での大討論会にも出席します。
いずれも桜のHPを参考に。
桜も「ユーチューブ」など投稿映像で紹介され始めたせいで、「上映会には毎回、数十人のサポーターたち、なかでも若い人たちがボランティアで応援に駆けつけてくれている」(水島社長)ようです。
26日は「NKの会」(玉城素代表)4月例会の講師。
テーマは「北朝鮮核問題の変質と中朝関係の亀裂」。残念ですが、こちらは会員制なので、一般の方は参加できません。
時局心話会の講演会は30日(水)で、場所は外国特派員協会20階「メディアルーム」です。中国経済の今後の動向について話します。参加費は8000円です。
中国の成長を牽引してきた輸出環境は悪化するばかり、米国のサブプライムローンの影響はないとしていた政府も危機感を高めつつあります。当初、中国側の発言を鵜呑みにして、日本経済新聞などは「米国の経済悪化を中国が吸収する」などと能天気な解説記事を検証もなく、平気で掲載していました。中国GDPの60%は輸出=海外市場が稼ぎ出したもの。なかでも米国と日本は大きい。この両国に失速の兆しがあるのに、どうして中国が今後も成長を続け、世界経済を牽引できるのでしょうか。読者をナメタ記事が多すぎます。
表現者
http://www.upsilon-publishing.jp/htdocs/MagH.html
チャンネル桜
http://www.ch-sakura.jp/
以前、日本の朝鮮研究者の世界を関係者が「朝鮮村」と呼んでいることを畏友・荒木和博氏(拓殖大学教授)から聞いたことがある。それなら中国関係者の世界は「中国村」ということになるのだろう。
「中国村」は一言で言えば「八つ墓村」である。百鬼夜行魑魅魍魎、ダブルスパイが当然のように徘徊している世界なのである。ここの住人はさまざまで、極左から極右まで、元総理からホームレスまであらゆる階層の住民がいる。
元満州国憲兵にしていまは天津甘栗屋のおやじとか、朝鮮戦争当時、地下に潜行した日本共産党の「人民艦隊」で徳田球一書記長(当時)ら党幹部を中国に送ったという老人もいる。先日なくなった瀬島龍三氏が国交正常化前から中国政府機関とひそかなつながりを持っていた事実も「村の住民」から詳細に聞かされた。
生前田中角栄の新潟の生家に北朝鮮の金日成から届けられた色紙が保存されていたことを知ったのも権力中枢に近い「中国村」に戸籍のある人物の口からである。
村には「ジャーナリスト」もいる。千差万別である。ある若い読者から「誰が信頼できるジャーナリストですか」と質問されたことがある。それはいえない。私も「村人」であって、実名を上げると差し障りがあるからだ。(笑い)
だが物差しはある。これまでの発言や分析に一貫性があるかどうかがまずポイントになる。つぎに、あまりメディアに頻繁に登場していないこと、なかでも地上波テレビや週刊誌にでていないこと、これをやりだすとメディアの側に振り回されてしまい、自分個人の視点がなかなか確立しない。最後がニュースソースとの距離である。よくテレビなどで「私のつかんだ情報では」として解説を始める方がいる。間違っているとは言わないが、情報提供者に都合の悪い話は決してできない。政府関係者、なかでも外務省関係者をソースにしているかどうかのリトマス紙は「ODA」である。彼らは日本の対中援助を正面から批判することはしない。外務省が一番ナーバスになるのがこのテーマだからである。ODAを非難の遡上にあげた場合、確実に外務省からのリークはカットされる。
中国批判をする「識者」はいる。だが彼らが環境支援に反対したり、ODAを中止せよと口にすることはないのである。ここらを参考にして「ひも付き」の「ジャーナリスト」かどうかを判断されたい。最後に一言。
あなたは中国大使館に一番よく出入りしている日本の政治家が誰かご存知ですか。
これは書きません。中国村は八つ墓村。祟り(たたり)が怖いのです(笑い)。








