竹村健一さんのこと

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例年6月になると落ちつかない。鮎つりの解禁シーズンだからである。
中学時代はよく川に行った。故郷の高津川は水質は日本一で、四国の四万十川よりもキレイである。剣道部の活動を終えると、友人と昼は鮎つり、夜はうなぎ釣りにと、川に通い、そうして毎日が過ぎていった。
ああ,釣りに行きたいな、と思いつつ、一日中、原稿を書く。

やや旧聞に属する話だが、日曜日の朝のフジテレビの報道番組『報道2001』に長くレギュラー出演していた竹村健一さんが『引退』された。お疲れ様でした。竹村さんには随分お世話になった。最初の出会いは私の「田中角栄と毛沢東」を読んだ竹村氏が自分の文化放送の番組に出演を依頼してくれたことだった。
『竹村さんが感激して、これはすごい本だ、ぜひ筆者の青木さんを番組に呼んでくれと携帯に電話があった、まだ本を読んでいる途中に、です』と報道部長が内実を話してくれた。素直に嬉しかった。
以後彼の番組には数回出演させていただいた。ただ私は基本は活字人間なので、どうしてもそちらの仕事にシフトしがちで、最近はラジオでコメントすることもなくなった。電波は記録に残らないし、よほど腹を据えて関わらないと、緊張感が薄れ、流されがちになる。
その結果、いつの間にか『ジャーナリスト』が『文化人』に変貌してしまう。地上波のワイドショーや報道番組が娯楽番組化するのは『ジャーナリスト』が関与していないからだ。
日本ではワイドショーという「井戸端会議」の場で国際情勢が論じられている。竹村さんにはそうした現実が見えていた。それだけに彼はニュースをお茶の間の視聴者にどうわかりやすく伝えるのかに敏感だった。そういう点において彼は間違いなくプロのなかのプロだったと思う。
いろいろ勉強させていただき、ありがとうございました。
その出会いのきっかけになった『田中角栄と毛沢東』だが、現在は絶版状態。いずれ最新情報を加えて、リニューアルしたいと思っている。田中角栄の「資源外交」の教訓は大きい。それは戦後日本が初めて自力で参加した国際的なパワーゲームだったからだ。『資源外交』は日中正常化とつながる。
毛沢東が死の直前に知ろうとしていたのが(実際は秘書が耳元で国際情報紙『参考消息』の記事を読んで聞かせたのだが)ロッキード事件の推移と田中逮捕の報道だったというだけでもワクワクするではないか。ロッキード事件が国際的な謀略だとまでは言わない。だが田中角栄は確かにアメリカの虎の尾を踏んでしまったのだ。遥かなり、田中角栄。




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