東洋文庫はすばらしい(2)
1月の『中朝関係の真実』の中でも紹介したダレの『朝鮮事情』の第二章『歴史』の個所は重要である。
李氏朝鮮と清朝の冊封関係の実態は、現在の金正日と胡錦濤の微妙な関係を判断する手がかりになる。最近北京発で意図的に流された『金正日、北京五輪開催式出席』のガセネタは次の故事を思い起こさせる。
『朝鮮国王は新しく交替するたびに、特使を遣わして皇帝にその即位の承認を求めなければならない。特使はまた・・・朝鮮で発生した主要事件について全て報告しなければならない』。
胡錦濤の後継者の最大の有力候補・習近平政治局常務委員は現在対北朝鮮政策の最高責任者である。北朝鮮取り込みに成功すれば彼の最高指導者就任に弾みがつく。そのため彼は訪朝した。目的は中華民族の最大の祭典五輪の場に金正日を引き出すことで、そうすることで6者協議のホスト・中国の政治外交力をアピールすることにあった。習は五輪の責任者も兼任しているからだ。金正日北京五輪参加の報道はそうした理由からリークされた。
だが金は招請を拒否した。彼は北京の設置した6者協議の土俵で相撲を取るつもりはないからだ。彼は朝貢を拒否したのである。
いまやブッシュ政権は限りなく北に融和的である。もう中国の仲介は不要である。慢心(?)は昨秋の南北首脳会談での金の発言で表面化した。平和協定はわが国と南朝鮮と米国の三者でやりたいという内容だった。100万もの義勇軍を派遣した中国の歴史的存在は公然と無視されたのである。
60年代から80年代までほぼ20年間ピョンヤンはモスクワカードを切ることで北京の風圧を凌いできた。だがいまや孤立無援の金正日は政権の生き残りをかけてワシントンカードを切ろうとしている。ブッシュ政権を通じて日本に圧力をかけ、拉致切捨てと『正常化』実現、そして経済援助を手にすることも目的である。
手にしたジャパンマネーは経済的影響力を拡大しつつある中国に対する大きな牽制になりうる。
北の対日認識は『日本は米国の従属国』というものだ。つまり日本などアメリカ次第でどうにもなると金はたかを括っているのである。ここは日本国民の試金石である。
悔しいと感じるのなら、ノーといえる日本に向けて立ち上がろうではないか。
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