この夏の推薦本
日中関係がちょうど100年前の日清日露戦役前夜の情勢に酷似してきたことが実感できます。
東亜先覚志士紀伝(黒龍会・上中下三巻)原書房
そもそも国家の大事とはなんぞや。
当時諸外国のわが国を遇するあたかも小児を遇するがごとく、殊に隣邦老大国の我に対する不遜軽侮の態度、憤激に耐えざるものあり。
明治19年(1886年)8月、清国潜軍提督・丁汝昌、その軍艦鎮遠、定遠、威遠、済遠等の北洋艦隊を率いてわが国に来り、至る処、暴慢の状見るに忍びざるものあり。
帰航の途、長崎に寄港するや、その水兵良家の処女を辱めんとし、長崎警察の巡査これを妨げしを名とし、水兵等警察署に闖入して乱暴す。政府これを提督に交渉するところありしも、彼あくまで我を侮辱し、要領を得せしめず、錨を抜いて去る。
これを聞ける国民の清国に対する敵愾心は勃としてその頂点に達す。殊に玄洋社員等この国辱を聞いて、皆悲憤慷慨す。
すなわちここに民権伸張論を捨てて、国権主義に変ずるに至れるなり。
中国の排外主義的な『不遜軽侮の態度』に日本国民は『悲憤慷慨の念』を益々高めつつある。隣国の過剰で敵対的なナショナリズムの台頭は日本人に憲法第9条擁護という戦後の『民権伸張論』を弊履のごとくうち捨てさせる結果になるだろう。すでにその方向性は見え始めた。だからこそ、今後はグローバルな情勢論が必要なのである。戦略なき情念は亡国への道である。
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