2008年9月記事一覧

「蟹工船」

| | trackback(0)

最近中国でビジネスを展開しておられる方とお話しする機会が増えています。中国がWTOに加盟したのは2001年の12月。その一年前くらいから将来の中国ビジネスの障壁が下がると判断して海外からの旺盛な投資が始まりました。
あれからほぼ7年、この間全国に拡大した反日デモがあり、北京五輪があり、株と不動産の崩壊が本格化しています。日本からの対中投資も05年の反日デモ以後、一転して毎年20-30%ずつ減少し、いまも歯止めはかかっていません。製造コストがアップしすぎたことも一因です。
明らかにチャイナリスクが広く意識されるようなってきた。だがこの事実は案外知られてはいないようです。

実業界の対中警戒感の高まりに比べて、マスコミの中国報道はまだまだ腰が引けています。ジャーナリズムの原則は帰納的分析であるべきで、これが演繹的にあらかじめ結論ありきでは、到底現状を解説することは出来ない。帰納的分析とは「個別具体的な事例から一般的不変的な規則を見出そうとする推論方法」(ウィキぺディア)のことですが、メディアは「個別具体的な事例」の報道にまだまだ及び腰です。それではいくら一般論としてチャイナリスクを言い立てても、説得力はない。
普遍的なものは個別具体的な事実によって裏付けられる必要があるのです。ですが、大手メディアがそこまで踏み込まないのは記者の取材不足とスポンサーの意向によるものなのでしょう。
ブログの「コカコーラ覇権」「コカコーラ覇権再び」のなかで指摘したように、コカコーラの市場独占に対する警戒の声が上がり始めている。注目すべきはコカコーラ批判が政府閣僚の一部からも上がっていること、同社が「米帝国主義のシンボル」としてネット世論で指摘されていること、最後に中国市場経済の命綱である米国市場で保護主義的な政策が強まりつつあることへの反発が存在していることです。
共産党内の教条主義左派と新左派が開放政策・市場経済への牽制と米国叩きのカードにこうした「世論」を利用し始めています。

「躍進中国」の市場経済も膨大な「蟹工船」を生み出している。話は脱線しますが、中国共産党と友党関係にある日本共産党も「蟹工船」で党員が増えたとはしゃいでいる場合ではないのではないでしょうか。共産党の組織自体も「蟹工船」なのですから。なんでもかんでも資本主義を批判していればOKというものでもないでしょう。すこしは「自己批判」という言葉の意味を噛み締めてもらいたいものです。

話を戻します。反米と反日は一面「開放政策批判」の側面をもっている。この事実は3年前の反日デモの総括として私が繰り返し指摘してきたことでもあります。「日本製品ボイコット」「日本企業の中国投資反対」の本質は反日ではない。これは党中央の路線「改革開放政策」への異議申し立てなのだ、と。

さて、コカコーラがキッシンジャーの政治力を利用したように、上海のビール市場で優越するサントリービール(三的碑酒)もまた解放軍実力者王震副主席の「バックアップ」を得ていました。それが市場シェア確保のもうひとつの理由なのです。これも新聞には書けない事実です。わがブログも後2ヶ月。会員制のニューズレターの発刊を考えています。

10月と11月の講演もよろしく。

朝鮮半島有事を語る

| | trackback(0)

緊急特番「どうなる!北朝鮮と日本の安全保障」の収録をチャンネル桜のスタジオで行いました。
金正日の本当の容態、北朝鮮有事の際の周辺国の対応、北朝鮮レアメタルの真偽などを
水島さんの司会で荒木和博氏と語り合いました。荒木さんが北朝鮮の他者依存の外交姿勢を歴史的経緯を紹介しながら、するどく論証しています。側で聞いていて、さすがは韓国留学キャリアの「朝鮮屋」だと正直、唸りました。
北はやはり、外からの援助を獲得するのだけはうまい餌取り名人の「カワハギ」なのです。
私は「中国屋」として、北朝鮮(朝鮮半島)問題は最終的に解放軍マターであり、安全保障の側面を無視して中国の北朝鮮政策は論じられない、そしてこれからますますその戦略は「グローバル化」「帝国主義化」していくと解説しました。
いずれにしても核の恫喝のもと、防衛を論じるのではなく、「平和」を大義名分に、北との「正常化」を模索する動きが「戦後体制擁護派」から執拗にあがることでしょう。主役は加藤紘一であり、山拓であり、朝日新聞ら「リベラル」勢力。それに一部財界です。
言うまでもなく、こうした「平和」の代償として支払われるのが日本からの膨大な経済支援なのです。
問題は日本人の草の根の愛国心と正義の声がこの屈辱的な「平和」に耐えることができるのかどうか。拉致も未解決なまま、正当な防衛力行使すら「軍国主義」と決め付ける戦後平和体制の欺瞞性が問われる瞬間が近づいています。
憲法第九条原理主義者たちは平和な戦後のなかで、白昼堂々と日本人が、日本の地から北朝鮮に拉致されたまま、数十年以上も奪還すらできない現実をどう考えているのか。そのことに回答すべきです。
たとえば、作家・澤地久枝氏は「9条を守る会」のメンバーでもあります。学生時代、私は彼女の「妻たちの2・26事件」に痛く感動した思い出があります。
だからこそ彼女にお聞きしたい。「澤地さん、横田めぐみさんと家族にとって日本は本当に平和な国だったのでしょうか」と。
桜の放映は29日(月)の午後8時から1時間半です。
(当初の討論×3の時間枠での放送は変更になりました)

追加
番組の最後に桜支援の講演会などが企画された場合、時間が許す限り地方でもどこでも
足を運びたいと話しました。この機会に私を支援してくださっている方々とも胸襟を開いて話したいと考えています。気軽にお声をおかけください。

ライブトークのお知らせ

| | trackback(0)

10月26日(日)の阿佐ヶ谷ロフトのライブについて詳細が決まりました。
参考にしてください。

トークライブ「義和団再来か?、中華ナチズムか? 震撼する中国と瀕死の北朝鮮を探る」

日程:2008年10月26日(日)
場所:東京・阿佐ヶ谷ロフトA http://www.loft-prj.co.jp/lofta/
   杉並区阿佐ヶ谷南1-36-16-B1 03-5929-3445
時間:Open12:00 / Start13:00-end15:30
料金:¥2000(飲食代別)※当日券のみ(予約不可)
主催:佐藤悟志/bluewolves.office@gmail.com

【出演】
青木 直人(ジャーナリスト、著書に「中国利権のタブー」「北朝鮮処分」「敵国になり得る国・米国」「北京五輪後に何かが起こる」他)http:// aoki.trycomp.com/
佐藤 悟志(司会/政治活動家)http://www.blue-wolves.org/

【趣旨】
 虚飾に満ちた北京五輪の開会式は、中国政府の偽装体質を全世界に知らしめた。「五十六族協和」を捏造し、「平和の祭典」の看板で覆い隠そうとした中国共産党の支配が、権力弾圧によって抵抗を圧殺し,手抜き工事や毒入り食品で子供や幼児すら惨殺する「赤い貴族」による封建支配であることはもはや明らかである。一方、バブルの破裂、国有企業の破綻などで「中国流」市場社会は崩壊寸前である。痛めつけられた民衆の不満は「義和団」の再来という排外主義の形で爆発しかねず、これに中共や「赤い資本家」が乗じれば、核を保有する「中華版ナチス」すら出現しかねない。
 一方、北朝鮮では、金正日の不在によって労働党支配が機能不全に陥り、指導者なき北朝鮮の「処分」が、米中の共同と競合によって進められつつある。
 だが、この間に日本の政治家が何をしてきたかと言えば、売民宰相福田康夫から口先国士石原慎太郎に至るまでが、嬉々として北京詣でである。福田に至っては五輪だサミットだ内閣改造だと美味しいところを散々食い散らかした末に政権を放り出した。まさに「貧乏神」の「食い逃げ遁走」だ。もはやダメ問題でしか無い日本の政治を立て直し、拉致された同胞やアジアの人々を救うためにも、我々は現実を正確に直視しなければならない。
 まずは五輪後の中国の政治経済動向と北朝鮮の先軍政治の行方について、中国問題の第一人者である青木直人氏を招いて、東アジア全体に関して情勢分析を行う。(佐藤悟志)

一宿一飯の恩義

| | trackback(0)

皆さん、ご存知のように、近年、私に発言の場を与え続けてきたCS放送「チャンネル桜」が経営上の危機に直面しており、「2千人委員会」という形で最後のサバイバルを模索しています。こうした危機的な状況を前にして、これまでなんの制約もなく、自由な言論空間を保証していただいてきた桜とそのスタッフの方々に対して一個の言論人として、また人間として、この事態に対して沈黙すべきではないと考え、以下に、私の見解を明らかにしておきます。

桜支援のための「2千人委員会」に参加させていただきます。
私でよければいつでも番組にお声をおかけください。喜んで出演させていただきます。謝礼は不用です。

水島社長のこれまでの苦闘への賞賛は他の方に任せます。
夜中にでも明日の番組に間に合うようにと、フリップを作成し送ってくれたHさん、「先生、お待たせしてすみません。休んでください」と荷物を整理して簡単なベッドを作ってくれたMさん、寝る間も惜しんで桜のために奮闘していたあなたたちの流した涙と汗に対して私は連帯したいと思っています。

以上。 

9月25日
青木直人

雑用の日々

| | trackback(0)

上京して数日だが、山ほど仕事がたまっています。
箱一杯の定期刊行物、人民日報や経済日報などの航空便の資料、AWSJなどの英文紙、そして私が所属している研究団体の機関誌などなど。まずここらに目を通さねばならない。

次が留守番電話の確認。いくつかの媒体から取材依頼が来ている。FM東京のプロデユーサーの方、「北京五輪の後なにかがおこる」を特集したいと提案していただき恐縮です。週刊新潮の方、いつもごめんなさい。東京スポーツと週刊文春は実家にいても携帯で取材受けました。今後はブログで講演と取材の受付をすることも考えたいです。
それと宮崎トウ天と現代アジア主義について講演を依頼していただいた某大学の「同志」の皆さん、検討させていただきます。

11月に発売予定の共著の締め切りが迫っています。これから休みナシの毎日が始まります。私とて秋の東北にでも足を運んで、日がな一日紅葉をめでてみたいのですが、なかなかそうした優雅な日々は縁遠い。この時期、裏磐梯いいんだけどな。

テレビにアイドルの吉川晃司が出ていました。以前友人の結婚式で挨拶にたった彼がいきなり、バク転をやって、大いに会場を沸かせました。
芸能界の友人に比して、深夜ひとりで新華社のネット記事などを検索していると、ナント華やかさと縁遠い世界なのか、と自嘲しながら、段々記事に目が釘付けになる私なのです。

情報ネットワーク

| | trackback(0)

志をもつ方々と勉強会で講師を務めてきました。喜んでいただいて、大満足です。
マスコミの報道がどうだ、こうだと注文をつけるのもいいのですが、それ以前に自前の情報ネットワークを作っていく方が遥かに緊急テーマだということを実感しました。
まず中国の各地にあるホテルの盗聴・盗撮監視体制が具体的にどうなっているのかをまとめてみます。これなど実用編ですね。


ブログでも再三再四言い続けていることですが、インターネットはあらゆる情報が一瞬にして世界中に拡散する空間。それゆえ表に出た情報はもう隠せない。
それだけに情報の秘匿性という点では相当リスキーです。今後はそうしたことを念頭において語り、書き、レポートしていこうと考えています。
11月22日の立川での講演のお知らせをお読みください。

---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


日本会議立川支部・講演会

演題:五輪後の中国情勢
講師:青木直人氏
(国際ジャーナリスト)

日時:平成20年11月22日(土)
午後2時00分〜4時30分

会場:立川市女性総合センター・アイム5F、第3学習室
立川市曙町2−3−2 ℡ 042−528−6801   
共催:日本会議東京都多摩地区協議会   
資料代:500円      


講師略歴
1953年 島根県生まれ。中央大学卒。
中国東アジア関連の著作多数。88年、翌年の中ソ首脳会談を予想して注目される。
経済産業省の高官向けにアジア情勢のレポートを執筆していたアナリストでもある。
                          
 100年前に清国崩壊のきっかけとなったのは、「義和団の乱」であった。排外主義を掲げ、中国民衆の不安や不満を吸い上げながら膨張し、当初清国政府も列強諸国と対抗する手段としてこれを利用した。やがてその矛先は清国政府に向けられ、辛亥革命となって清国の命脈を絶った。現在中国各地に頻発する暴動も、時には反日暴動や反外国企業運動という形で、中国共産党政府に利用されながら、やがては中国共産党政府自身の脇腹に匕首(アイクチ)を突きつけることになるのかも知れない。
中国国民の不満はいつ暴発するかも知れないところまで高まっている。民工と言われる貧困層の群れ、開発名目で自宅を取り上げられてホームレスとなった人々の群れ、毒入り粉ミルクで子供を失った母親達。四川大地震では、オカラ工事で建てられた小中学校の校舎崩壊で、多くの家庭がその一人っ子を失った。彼らの苦悩は計り知れない。
挙げればきりがない中国政府のこの失政は、7,500万党員からなる中国共産党という軍事独裁政党が、もはや農民・労働者階級を代表する階級政党ではなくなり、特権を有する共産党員たちの利権集団に堕したためである。その利権に魅せられた外国企業の参入も、ヤオハンの例に見られるように、ナケナシの財産を失って撤退することになる。竹下元総理が森ビルに口利きをしたという上海金融センタービルも、完成までに14年もかかりながら撤退もできず、北京五輪直前に突貫工事で完成をみた。ほぼ半分が空室という状態で、森ビル本体の屋台骨を揺るがしかねないのが実態である。
中国共産党員とその利権に群がる浅ましき日本企業や政治家は、食の安全のみならず国家の安全さえも棒に振りかねず、明日の日本人が今日の中国民衆と同じ立場に置かれ兼ねない。大手メディアが伝えない中国の実情を、チャイナ・ウォッチャーとしてその見識には日本政府の諸官庁も一目置く、青木直人先生にお出で頂くことになりました。危機感を共有して下さる方々が、一人でも多く参加してくださるのをお待ちしています。

ご連絡

| | trackback(0)

10月の2日(木)と3日(金)の二日間、チャンネル桜で水島社長の司会で荒木和博氏と朝鮮半島情勢を語り合います。2日は1時間半、3日は1時間と、合計2時間半ということになります。桜は潰れませんよ。

いずれ、皆さんの支援のお陰で、桜がサバイバルできたあかつきには、衝撃的なレポートをやりたいと思っています。タイトルだけで、「到底信じられない」と感じるような現実と事実が世の中にはある。メディアでそれをやれるのはマジでここしかないです。
地上波に対する幻想は捨てましょう。スポンサーつきの自由な報道などあるわけがない。
あえて言わせていただく。「ジャーナリスト」田原総一郎の「朝まで生テレビ」など、所詮最初に結論ありきのプロレスにすぎない。それはジャイアント馬場が60歳を過ぎても全日本プロレスの社長であり、最大のスターであったがゆえに、決して負けることのなかった世界と同一なのです。
私が朝生を見て感じる印象とは「騒がしさ」と計算された予定調和な結論です。
だが、隆盛を誇ったそのプロレスもヒクソン・グレーシーに高田延彦が秒殺されたその瞬間、結論とアングルありきの舞台裏を白日にさらしてしまったのです。
佐山聡(タイガーマスク)の「ケーフェイ」登場から10数年後の惨劇でした。

いま地上波はこれと同じ運命に直面している。あらゆるタブーが報道することの本質的な面白さを殺してしまっているのです。国際問題のコメントを吉本興業のタレントに委ねる馬鹿がどこにいるのでしょうか。それは素人が趣味でうった日本蕎麦を「老舗」の味として売り出すようなものではないのでしょうか。
メディアの世界ではまさにこれから、生きるか死ぬかの総合格闘技が必要とされています。
世界的危機の時代。地上波の「プロレス」的な報道ではもう「勝てません」。

今日はマニアックで済みませんでした(笑い)。それにしてもヒョードルの強さはどうにかならないものでしょうか。

桜にでます

| | trackback(1)

近々中に上京します。
その関連で、久しぶりにチャンネル桜に出演します。直近の東アジア情勢について荒木和博さんと語り合います。司会は水島社長になるはずで、「爆弾」緊急特番という感じになると思います。
朝鮮半島情勢と拉致問題の解決について大手メディアはさっぱり関心を持ちませんが、半島の有事となれば、同胞をあの国に拘束されている日本にとって、国家として、どのようなアクションを起こすのか、あるいは起こすべきなのかがいまこそ論じられなければなりません。近い将来、日本の国家意思が問われる事態がまちがいなく起こります。
その拉致問題についていえば、北朝鮮の金正日の容態は実は政務執行できないほど深刻との報道に現実性が出てきました。
それでいて、私たちはこのあふれ出る朝鮮情報をどう読み取るのかについてあまりにも非力であり、受身に終止していないでしょうか。これまでの拉致問題解決の最大のネックになってきた要因がこの情勢分析の弱さなのです。日本人が拉致された北でいまなにが起こり、どうなっているのか、という基本的コンセンサスが運動の側に共有されていない。7月に桜スペシャルと特定失踪者問題調査会(しおかぜネットワーク)で話したように、日朝正常化に対して単にスローガンだけで反対するのではなく、具体的に問題点を抉り出して、利権構造の腐臭と生々しさをアピールすることではるかに運動の輪は拡大します。
当日はポスト金正日がどうなるのか、を中心に話しますが、結論から言えば、韓国による統一の可能性は極めて低いということです。最大の問題は韓国の日和見主義にあります。韓国国民の同胞愛はカネがかからないうちはいくらでも泣けるものでした。タダは楽なのです。ですが南北首脳会談で合意した経済協力は1兆3千億円にも上り、国民一人当たり3万円もの金額に上ります。これを見て、早くも他国の日本に出させればいいとの韓国政府の声が聞こえます。これでは到底中国の北朝鮮への政治的経済的影響力の拡大に対抗することはできない。パワーポリテックスの世界では覚悟のないものが勝利することはない。
当事者である韓国が現実には北の崩壊を何よりも恐れていることを中国だけでなく、周辺国もみな知っている。ならば北が崩壊しても韓国による吸収はなく、それよりも開明的な労働党政権が誕生することこそが地域と北朝鮮国内の安定にはプラスである。この現実認識が間違いなく共有されるでしょう。いまのままなら金正日の北朝鮮崩壊が南の統一につながることは期待できないでしょう。
ではどうなるのか。荒木さんたちとやがて現れる政治状況と拉致問題解決のカギを論じたいと思います。
金正日以後の世襲体制が話題になっていますが、同体制を批判した80年3月10日の人民日報社説の注目すべき中味も紹介します。

「旅の宿」

| | trackback(0)

今夜は月がきれいでした。田舎に帰ると実感するのは空が高いこと。永遠の時間を感じます。月を見るのもひさしぶりです。
そんな折、先日街で吉田拓郎の「旅の宿」が流れていました。

浴衣の君はススキのかんざし
熱燗徳利の首つまんで

というあの曲ですが、聴きながら、しみじみの心でありました。帰省するといやでも過去のさまざまな情景がプレイバックしてきます。この曲は私が18歳で東京に出て、初めて惚れた女性の記憶と重なります。この歌声が流れる部屋で彼女の手作りのそうめんを私はひたすら口にいれておりました。まっ、そのー、照れくさかったのでしょうね。相手の目を見るのが。
もうあの人もおばあちゃんになって、孫もいるはず。ですが記憶の中ではいまでも当時の姿のままです。惚れるにたりるすばらしい女性でした。などと書くのもやはり照れくさい。
いかんな。田舎にいるとセンチになって(笑い)。

日本海の浜辺にはもう誰もいません。1か月前の騒ぎがウソのようです。その浜場には韓国の密航船の残骸、東シナ海から漂流した中国製のペットボトルが大量にころがっています。益田と朝鮮半島は近い。1967年有名なプエブロ号事件の最中、益田の山の高台に登って望遠鏡で日本海を見ると、北上する米国艦隊が見えたという故事もあるほどです。
ですが、ほかならぬわが故郷では金正日の政治的死亡も、朝鮮有事もなんら話題にすらならず、開催中の市議会では古参議員たちが不毛な質問を35歳の新市長に浴びせかけるだけの痴呆的な光景が繰り広げられています。
「あの人は、ああ、あの人は、若い芽を摘む罪な人」とこれも昔キャンデーズが歌っておりました。

深まる秋

| | trackback(0)

今日は個人的なことばかりです。

(1)友人の墓参りに行きました。目の前に日本海が開ける高台に彼の墓はあります。線香の煙と飛び回る赤とんぼ、そろそろ色づき始めた木々に秋の深まりを感じます。

秋風にとく散らましの恥ずかしの 森の木陰に残る紅葉 (佐藤清臣)

同じ日に津和野の森鴎外旧宅を見学。彼が故郷の津和野に触れた作品「イタ・セクスアリス」のなかには、幼年期の性的体験が書かれてあります。森は周囲を山に囲まれた盆地のなかの小さな城下町の記憶を生涯濃厚に持ち続け、「石州石見人」として死にたいと遺言してます。
その石州石見に帰ってからもう1ヶ月以上になります。母の入退院が度重なるので、桜プロジェクトも降板し、講演も減らし、郷里でこのブログを書いています。さすがに人恋しくなりますが、友人からの励ましには感謝しています。

(2)11月22日に立川市で「五輪後の中国情勢」についてお話しすることになりました。主催者はチベット問題に造詣の深い僧侶の小林秀英さんで、奥様はチベットの方です。
友人である三浦小太郎氏の紹介ということもあり、お引き受けすることに。
経済人も政治家も活動家、宗教者も中国の勉強をしましょう(笑い)「チャンコロ、この野郎」だけでは勝てませんよ。詳しくはブログの下を参考に。

(3)そのブログですが、11月で一旦中止にすることだけはお伝えしました。しかし、その後どうするのか、はまだ具体的には決めてはいません。ニューズレーターにしろ、動画配信にしろ、今の段階ではあくまでプランにすぎません。友人たちの知恵を借りることになりそうです。ただ以前も書きましたが、やばい話しはここではできない。そのことを含めて全体の情報発信をどうするのか。あるいはそうしたことも当分「中止」するのか、総合的に考えたいと思っています。
いずれにしても未曾有の危機が始まりました。正確に、丹念に情勢を解説分析してゆくことが私の任務であると覚悟を決めています。




主催者:日本会議多摩地区協議会
日時:11月22日(土)午後2時〜4時半まで。
会場:立川市女性総合センター・アイム 5F 第3学習室
    立川市曙町2−36−2

お金の使い方

| | trackback(0)

米国発の金融危機が世界を覆い始めました。中国株の下落も底がみえません。そうしたなか、ついに中国人民銀行は6年半ぶりに貸し出し金利を下げる決定を行いました。
この処置により中国経済の先行きは益々混迷化してきたようです。株と不動産の破裂に加え、インフレは高止まり、赤字国有企業のリストラの遅れ、頼みの輸出は国際環境の激変で失速必至とさまざまな影響が懸念されます。まちがいなく社会不安は高まります。
これをうけて、一部には中国経済「崩壊」か、とはやし立てる向きもありますが、そのカタルシスは理解できても、問題は日本が中国経済の「崩壊」を座視できないほど、経済的な相互依存関係にあるという事実です。日本も西側もそうなれば中国経済梃入れを図らざるをないでしょう。そうしたリアルでグローバルな両国環境を無視した「チャンコロこの野郎論」はあまりにも空しい。問題は日本の対中戦略に「日中友好」と「20分の1の労働力」しかなかったことによるのです。ODAと世界銀行、アジア開発銀行の迂回融資分で合計7兆円強の援助は延々といまも実行されている。この数字は世界一の金額に上ります。日本の世論が中国のチベット人弾圧に抗議していた灼熱の夏、そのときも日本から中国本土に人道的支援と称する無償援助が続いていたのです。納税者の皆さん、ご存知でしたか?

米海軍原子力空母ジョージ・ワシントンが横須賀に入港しました。いうまでもなく北朝鮮有事に備えてのものです。
金正日の不在は首領こそが「脳」であり、大衆は手足にすぎないという労働党の核心的組織論がいまや実態を失い、機能不全に陥りつつあるということなのです。
繰り返します。北朝鮮異変は時間が経つにつれ、じわじわと外部社会にも認識されていくでしょう。

これから指導者なき北朝鮮ではワシントンと北京があるときは協力し、あるときは戦略的な優位を求めて相手を出し抜きながら、「北朝鮮処分」を始めることになります。
なかでも隣国中国の影響は無視できない。
拉致問題をひとまず脇において、北朝鮮の側に立って語るなら、なんのかんの言いながら金日成は中ソを手玉に取りながら、しかも中国の属領となることへの警戒感を持ち続けていた人物でした。彼は中国の風圧を前にして自主の旗を堅持していた朝鮮人だった。
だが今の北にはそんな精神的経済的余裕はない。金日成・金正日と続いた金王朝はいまや「売り家と唐様で書く三代目」の運命に直面しています。
だからこそ「中国に対抗するために北と組め」と一部の論者たちは言います。それがリアリズムなのだと。大笑いです。
同盟の基本は信頼である。あなた方は拉致した日本人を返そうとしない北を信じることができるのか、いわんやそんな北とさらに高度な戦略レベルで組めると本気で信じているのか。仮にそうだとすれば、それはリアリズムどころの話ではなく、単なる妄想にすぎない「話は一人の例外もなく拉致日本人を返してからだ」。これこそが真のリアリズムである。


講演について

| | trackback(0)

講演はいいですね。双方性ですから。活字はなかなか読者の声が届かない憾みがあります。
私の講演はいわゆる「保守系」の団体が主催したものはほとんどなく、ビジネス関係者の方や研究団体を中心にしたものが圧倒的なのですが、ここで求められるのは「事実」と正確な分析、それに予想の確かさです。
最初にイデオロギーありき、ではありません。やはりこれがジャーナリストの王道なのだ、と実感します。ある高名な財界人の方が「青木さんはフリーランスだからここまで言えるんだな。組織にいたら到底こんな話はできない」としたうえで、「でも記者がそれでは困る。新聞が売れないのはそこなんだ」とおっしゃっていましたが、同感です。
講演のいいところは活字では書けないやばい話もできることで、ネットの拡大は活字情報の持つリスクを表面化させているのは否めない。すべてオープンにされてしまうからです。

講演にはライフコーポの清水信次会長がほぼ毎回お見えになり、最前列で腕を組み目を閉じながら、耳を傾けておられます。80歳を過ぎた高齢の経営者の方の知的関心の高さには脱帽です。真剣さが違うのです。清水さんは日韓協力委員会の副会長でもあります、(会長は中曽根康弘元首相)。「俺は青木さんのファンなんだ」。恐縮しています。

結論から言えば、いまも「保守」の一部にある机上の中国叩きはもう商品にはならない。取材していないから、結論ありきの「論」しか話せない。もう皆飽き飽きしています。ですが、これが現実です。

尊敬するジャーナリストの方と近々中に本を出します。現在作業中。
ここでも感じます。事実は強いと。サヨクの能天気も問題ですが、ホシュの冷戦思考と取材嫌いの評論好きもどうにかならないものでしょうか。

先日北朝鮮人権問題に取り組んでおられる弁護士の方から「朝鮮半島情勢について解説してほしい』と頼まれました。私のスケジュールの都合で、適いませんでしたが、こういう講演というには小規模ですが、レポートは増やしていきたい。すこしでも同志を獲得していきたいからです。
今後は危機意識の高い、問題の解決を必要としている方々と積極的に連帯していきたいと考えています。もう右も左もイデオロギーには食傷気味です。まともな分析も出来ないでジャーナリストが何を語ろうというのでしょうか。手抜き取材の言い訳にイデオロギーが使われたのでは本末転倒です。

残念ですがこれまで東北北海道での講演体験はありません。お気軽にお声をおかけください(笑い)。ブログは当分の間毎日書きます。

金正日は「死んだ!」

| | trackback(0)

金総書記が「死んだ」。物理的な生命はあるものの、政治的には死んだと見ていい。いま、北朝鮮は建国60周年にして最大の危機を迎えようとしている。ここ数日堰を切ったように、ソウルから、北京から、ワシントンから金正日総書記の容態について日々詳細な情報が明らかになっています。
なかでも注目は産経新聞の14日の北京からの報道です。これによれば、中国政府は金の容態を「脳卒中で倒れ、いまに四肢に障害が残っている」と断定、「回復には相当期間の療養とリハビリが必要」と指摘したというのです。後半はリップサービスであり、ポイントはすでに金が言葉と認識力をほとんど喪失しているという点にあります。

産経は当然ソースを秘匿していますが、間違いなくこのひとつは中央連絡部2部で、ここは北朝鮮と日本などアジア地域の一部の国を担当している党の対外セクションであり、同時に6者協議を影で仕切り、労働党とも深いパイプをもつ党機関なのです。
1か月前に倒れた金総書記。彼の不在の政局が通常になりつつある兆候は14日ロシアのメドベージェフ大統領の誕生日に指して、金総書記から送られた祝電に肩書きがついていなかったことにも表れています。
これまで金総書記は「朝鮮労働党総書記』と「国防委員会委員長」の二つの肩書きを併用するか、単独で使用することが普通だったのですが、今回初めてこの肩書きが消えている。
次は10月1日、中国の国慶節がポイントになります。史上初の五輪開催を成功させた中国で行われる記念すべき最大の国家的行事には、金正日と朝鮮労働党からの祝電が送られる予定で、そこでも今回のように金正日に公的な肩書きが見当たらないとすれば、金は政治的に死んだということなのです。
スターリン時代以来、官僚制と個人独裁が特徴の社会主義国において、指導者の肩書きこそ最大の政治的「正当性」のシンボルであった。封建的土壌と共に、こうしたスターリン主義的政治文化を色濃く残す北朝鮮において、党と軍の最高指導者の肩書きが消えているという事実は深刻です。
なかでも伝統的に友好関係にあるロシアと中国への最高レベルの祝電に北朝鮮のトップの肩書きがないとなると、金総書記はすでに「総書記」と「国防委員長」の職務を果たしていないということを示唆する外交メッセージとなるのです。
今現在、北で進行中の事態は超独裁者だったスターリンの脳溢血による死が秘匿され、マレンコフ、べリア、フルシチョフらの集団指導体制が誕生した故事と重なります。
それにしても中国からの極秘情報は直ちに米国に通告され、それは早くも9日の段階で米国情報関係者の口から「金総書記が脳卒中を起こし、重体になっている」と報道機関にリークされている。これは9日の60周年式典に予想どうり金が登場しなかったことを受けての情報戦略の一貫であり、米中両国の情報協力関係はスムーズです。
翻って、「相手の嫌がることはしない」と中国大好きな宰相をいただく日本には戦略的互恵関係にある中国からトップシークレットは伝達されていたのでしょうか。
6兆円も中国向けに援助をし、それでいて、なんの通告もないとするならば情報敗戦どころの話ではありません。

やがて北朝鮮の政変が始まる

| | trackback(0)

金正日総書記の健康異変はじわじわと関係国の北朝鮮外交に影響を及ぼし始めています。残念ながら日本では事態を北朝鮮内部の問題、あるいは南北朝鮮に限定したテーマであり、わが国とは直接には無関係であるかのような雰囲気が一般的です。
ですが最低でもこの事件が拉致問題とどうつながるのか、どういうインパクトを与えるのか、程度のことは真剣に論じられるべきです。北朝鮮有事は間違いなく拉致運動に連動してくるからです。
今回の「金倒れる!」報道で注目すべきは米中両国政府の間で、すでに北の最高機密に関する情報交換体制が現実にオペレートしているという事実です。彼らは「金の容態は重症である」と判断し、北朝鮮有事をどう管理するのかに関心を集中しています。日本にもいずれ米国政府から正確なブリーフィングのための特使が派遣されるはずです。
その点で、太陽政策の尻尾を引きずる韓国政府の「北情報」にはオブラートがかかっている。それゆえに、韓国情報を鵜呑みにしてはならない。いまや動き始めた米中の朝鮮半島における危機管理体制こそ拙著「拉致処分」「敵国になり得る国米国」のなかで一貫して指摘してきたことであり、今回の事態はその最高のモデルケースになりつつあります。関心のある方はぜひ上述の二冊の著作を読んでいただきたい。

私の目には今回の事態は75年の文化大革命末期、中国において「偉大な領袖」毛沢東がほとんどメディアに登場しなくなり、同時に中南海の内側では、毛の夫人・紅青らを中心にした文革極左勢力と、彼らを「共産風を吹かせている」と反論した周恩来・鄧小平ら現代化勢力との暗闘が本格化した時期と重なり合います。
左派は毛沢東の意向をかざして、精神主義的な継続革命を叫び、現実派はそれこそが国を混乱に導くものと警戒する。
前者の代表が張春橋の「プロレタリア独裁」論であり、後者が周恩来が全人代で発表した「4つの現代化」構想でした。
こうした路線闘争は北でも当然、存在しています。ですが、金正日の独裁的な存在がそれを表面化させなかったのです。だがいまや先軍政治の行き詰まりは誰の目にも明らかで、ほからならぬ同路線の主役である人民軍内部にも亀裂を生み出しています。

毛がメディアに登場しなくなったことで、当時大学生だった中国人の友人は「確実に政変が近い」と実感したと振り返ります。今にして思えば、毛の衰えが彼の死の直後勃発した文革派追放(10月政変)を準備していたように、北でも先軍政治がなんの展望もないまま、金正日の容態悪化だけが進行し、権力の空白が本格化しています。
最高指導者が言葉を失い、メディアから姿を消すということがいかなる政治的影響を与えるのか、それは、田中角栄が脳梗塞で言葉を失い、それを期に竹下登氏の奪権が成功したことからも理解できるはずです。だからこそ、先を読まなければならない。
北朝鮮に改革派の「朴正キ」が登場し、労働党政権の延命のために、一定の開放を始めたとき、米中韓ロの関係国はこれを一斉に歓迎、日本からの大規模な援助を強力に要請してくるでしょう。(私がこれが最も現実性をもったケースだと考えているが、当然そうなれば、南北の統一はない)
そうした事態に直面した場合、日本政府がこれに抗するには相当の踏ん張りが必要で、だからこそ、日本国民は「全ての日本人の解放なしに援助も正常化もない」との不動のコンセンサスを何度も確認しておかなければなりません。しかし、いまのところ、そうした話題すらどこからもでていない。これはまずい。同胞奪還のチャンスは金体制の動揺の際にしか存在していないのです。このリアリズムを決して決して忘れてはなりません。

講演のお知らせ

| | trackback(0)

10月26日(日)の午後から阿佐ヶ谷ロフトで、講演を行います。
7月の第Ⅰ回目の討論会についで、2回目ですが、当初予定していた新宿のロフトが希望日に取れなかったので、前回に続き、阿佐ヶ谷ということになりました。
今回はスピーカーは私だけで、司会はこれも前回同様、佐藤悟志さんが務めてくれます。
この日は休日の昼間になります。首都圏の遠方の方や女性の方もぜひ足をお運びください。

テーマは五輪後の中国の政治経済動向と北朝鮮の先軍政治の行方についてです。時期的に総選挙に重なる可能性もあり、東アジア全体に関して情勢分析をしたいと思います。

私のブログを見ていただいている方はお分かりだと思いますが、経済政策をめぐる共産党内の対立が表面化しています。市場経済が生み出した社会弱者と党内の左派が「連合」、これに行き過ぎた市場化に危機感を高める民族資本グループが加わると、さらに経済ナショナリズムと保護主義的傾向は強まらざるを得ない。そうなれば、今後は外資の中国投資がこれまで以上に及び腰になる。こうした改革開放政策の負のスパイラルがこれから本格化していきます。中国当局、指導者たちの「五輪以後も中国経済は大丈夫」発言にだまされてはいけない。問われているのはいまや成長率ではなく、成長と不可欠に進行している社会経済的矛盾が急速に膨張していることなのです。
行き詰まりを見せているのは「将軍の国」も同様です。ほぼ間違いないと見られる金正日総書記の脳梗塞(脳出血)は独裁者への求心力ではなく、遠心力となって、じわじわと先軍政治を内部から崩壊へと導きます。
その関連で言えば隣国中国が日本を含む周辺国に対して大々的な東北投資を呼びかけていることに注目です。外資撤退の傾向の中で、中国にとっても、東北開発に残された時間は多くはない。北朝鮮の羅津港を巻き込んで、ロシア、韓国、日本と日本海貿易ルートが順調に形成されているだけに、北の先軍政治路線から「開放」への転換は大歓迎であり、そうした宗主国の思惑が経済的浸透を通じて、金正日以後の労働党政権の動向に影響を与えることは間違いない。では日本はなにをどうすればいいのか。
当日は「一歩先」を読んだ講演にしたいと思います。

コカコーラ覇権・再び

| | trackback(1)

9月7日にブログで「コカコーラ覇権」という記事を書いたばかりだが、10日の新華ネットによるとこのコカコーラによるワイ源買収に対して多くの中国国内企業が商務部に対して反対の署名を提出する動きが始まっている。理由はこのM&Aでコカコーラに半数以上の市場が独占されること、さらに同社の資金的プレッシャーで、国内他社の存続が危機に陥ることだとしている。そして身売りするのなら外資ではなく、国内企業の競売にすべきとしている。これ以上の野放図な市場化に歯止めをかけよ、ということである。
グローバル化の進行とそのなかで台頭する経済ナショナリズム論。この社会的世論の高まりが、胡錦濤指導部がこの数年間繰り返し繰り返し「開放政策に変更なし」といい続けなくてはならなかった裏の事情なのである。
これから始まる中国経済の迷走。その処方箋を指導部はいまだに書けていない。党内の各階層の利害の調整ができていないからである。今後、経済政策を巡り国内世論と共産党内部の亀裂が表面化するだろう。そこで、なんども繰り返して恐縮だが、是非拙著「北京五輪後に何かが起きる」を手に取っていただきたい。義和団の中国が出現しようとしている。義和団とは単なる民衆の排外主義のことだけではなく、もっと広範に経済界のなかからも外資規制を求める社会風潮とそうした動きを指す。こうした危険性は何度でも何度でも強調されるべきである。
チャイナリスクは間違いなくその姿を見せ始めている。

先軍政治の終焉

| | trackback(0)

数日前から北朝鮮の金正日総書記(国防委員長)が脳梗塞で倒れたという報道が世界を駆け巡っています。
ちょうど7月の阿佐ヶ谷ロフト講演を仕切ってくれた佐藤さんと、「義和団の中国」「先軍政治終焉の北朝鮮」の2つのテーマで、11月くらいに話をしようか、今度は新宿のロフトで、と話し合っていた最中の報道でした。
情報の精度については100%の断定はできません。しかし確かに状況証拠は「黒い」。
それは建国60周年を祝い、先軍政治のシンボルとして位置づけられた大々的な軍事パレードが形式的なものに終わったばかりか、肝心の金国防委員長が登場していないためです。
今回の軍事パレードの目的は単なるパフォーマンスではありませんでした。それは「軍が人民である」といい続けていた金総書記の提唱する先軍政治路線の正しさを国内外にアピールするための重要な政治行為であったのです。だがその舞台に主役はいなかった。
また噂されていたミサイル発射も現在まで行われていない。これらはいずれも軍の最高指揮系列の不在を暗示する可能性がある。

私とて正確な情報があるわけではありません。ですがいずれ時間が経過すれば、この事件の輪郭が徐々に姿を見せ始めるでしょう。後になれば、北朝鮮で60周年の軍事パレードに「将軍様」の姿がなかったことは71年秋、中国で国慶節パーティが急遽中止され、その理由が「毛沢東の後継者」林彪副主席の乗った航空機がモンゴル領内でなぞの墜落死したことであった故事に重なるのかもしれない。いずれにせよ報道が事実なら北の政権中枢に大きな空白が生まれようとしている。先軍政治の終焉が始まろうとしているのかもしれない。

コカコーラ覇権

| | trackback(0)

先日、世界有数の炭酸飲料水メーカー・コカコーラが香港株式市場に上場中の中国トップ飲料水会社・ワイ源果汁集団を現金で買収した事実があきらかにされました。
買収金額は24億ドル、コカ社の買収額としてはこれまでで最大規模になります。
中国最大規模の国有企業ですら、資本と技術をもつ巨大な外資に吸収合併されているのが現実の中国市場経済の姿なのです。
飲料水だけではない。農業関連のアグリビジネスの世界でも同様な事態は進行中です。

コカコーラは先に終了した北京五輪の最大のスポンサーであり、キッシンジャー元国務長官の経営する「キッシンジャー・アソシエイツ」の創立以来の会員企業です。世界的なビッグビジネスが本格的に中国を「市場化」しつつあります。ワイ源集団だけではない。
拙著「北京五輪後に何かが起こる」のなかでも中国の優良民族企業が次々に外資によって倒産に追い込まれ、吸収されている事実を指摘しておきましたが、確実に訪れる中国経済の失速。それはレーニンの「帝国主義論」そのままに、市場争奪戦を激化させ、上海や香港などに上場中の中国トップ企業ですら、今回のように経営不振から倒産、買収に追い込まれる可能性があることを予感させます。
外資の市場独占化。これが中国で本格化したとき、彼らに解雇された労働者、長年中国産業の中で一定の影響力をもってきた民族産業経営者たちは何を思うのでしょうか。
小泉改革ではありませんが、地場企業の衰退と崩壊は地域のコミュニティを破壊し、安定を底辺から脅かします。内政といい、外交といい、まさに帝国主義の再来です。
私は平成の義和団が出現する可能性を否定することができない。
チャイナウオッチャーなら海外に進出する「赤い財閥」の躍進ぶりばかりではなく、それと平行して、海外で中国企業が買収劇を演じているように、外資もまた中国国内で伝統的な民族企業を管理下におき始めた事実を直視すべきです。
市場経済のルールには中国のひとり勝ちはありえないのだ。

日朝正常化論者たちの言い分

| | trackback(0)

チャンネル桜のキャスターの桜林美佐さんからのメールに「青木さんと菅沼光弘氏さんの直接対決を見たいです!」とあったので、なんのことだろうと思って調べてみると、2日火曜日の桜プロジェクト「日朝正常化の是非を論じる」のゲストが菅沼氏で、彼が熱心に北朝鮮との正常化を論じているのを知りました。菅沼氏は最近「自由」という月刊誌で、一水会の木村三浩さんと、米中アジア支配に対抗して、日本は北朝鮮と正常化して、対抗せよ、とも語っており、元公安調査庁部長という強面の情報マンとは思えないほど北朝鮮寄りの発言を表面化させています。
一水会は鈴木邦男顧問も最近訪朝し、これも北に取り込まれたのかどうか、熱心な対北和解の姿勢をあきらかにしています。
菅沼氏の桜での発言や木村、鈴木両氏の言い分はおよそ一貫性がなく、つぎはぎだらけの印象をもちます。遠慮なく書けば、私が「敵国になり得る国米国」で指摘した内容のパクリ?のような発言が多く、これではどうしようもないな、というのが素直な感想です。
またここで語られているいくつかの正常化のメリットについて触れておくと
①中国を牽制するカードに北朝鮮を使う
中朝両国間に深刻な対立があるのは事実。だが、中国の押さえに北を使うというのなら、北京とピョンヤンがあの中国とベトナムが中越戦争を始めたように決定的に亀裂を生じた段階で現実性が出てくるのであって、それ以前に、日本が焦って接近する必要はない。それでは北の伝統的な周辺各国との接近と分断策に乗せられるだけ。現状ではジャパンマネーを取り込むための方便にすぎません。釣りの好きな方は一発でわかるはずですが、北朝鮮は「カワハギ」なのです。餌だけをとって逃げる達人がこのサカナなのです。
(私はこれまで北は「路上の巨大な大便」だといい続けてきました。これに「北朝鮮=カワハギ」論も加えたいと思います)
北朝鮮を対中カードにという戦略論は中国が膨張すれば日本以上に北にとって地政学的脅威が増す。その結果北の対中強硬姿勢が具体的になり、仮に、中国に対して、朝鮮人がゲリラ闘争まで始めた段階での話しなのです。先走りは禁物です。
中国と北朝鮮というハブとマングースが戦いを始めるのかどうか。その確認なしに北に接近することはあまりに軽率です。日本の金を手にした「カワハギ」金正日は今度は平然と中国の側に寝返るでしょう。これが朝鮮の伝統的外交手法なのです。
②レアメタルについて
過去、在日企業が北朝鮮で金の採掘をはじめたことあります。ですが大失敗。人民軍や地方政府など各国家機関が我も我もとこのビジネスに寄生し、膨大な賄賂と事業資金の踏み倒しにあって、撤退を余儀なくされたことがあります。
あの体制をそのままにして、まともなビジネスがなりたつものかどうか、1970年代輸出したプラント代金の踏み倒しにあった日本企業や中国の商務省にでも聞いてみてはどうでしょうか。ここ数年商務省が北朝鮮ビジネスに走る自国企業に対して、「賄賂の日常化」「交通通信インフラの不備」「代金の踏み倒しの多さ」などを理由に、慎重な投資を呼びかけている事実に謙虚に耳を傾けるべきでしょう。レアメタルと聞いて、鴨が葱をしょってのこのこと北朝鮮に行くような愚はさけるべきであります。

私はこの三者の方々の「熱い」「北朝鮮との正常化」の呼びかけを耳にするたびに、反米の裏返しとして封建的独裁政権にシンパシーを抱いてしまう日本言論人の「病」を実感します。こうした病理には右も左もないようです。
同時にこうした「愛国者」の口からまともな拉致日本人奪還の声が出てこないことにも彼らの精神的荒廃を感じてなりません。益田にある北朝鮮工作員の上陸ポイントを「調査」したばかりだったので、余計にそう感じました。
彼らが「愛国者」なら城山の西郷ドンは泣いているでしょう。真の愛国者、本物のアジア主義者なら宮崎トウ天に学ぶべく「金正日独裁体制打倒」というスローガンこそが叫ばれるべきではないのでしょうか。


初秋の益田から

| | trackback(0)

ある読者の方からメールが届きました。「ブログ閉鎖と聞いて、落胆したが、いずれ再開して動画配信やニューズレターも出すということなのでワクワクしています」とありました。
ありがとうございます。励みにさせていただきます。


①夏も終わったかと思えば、あわただしい出来事が続きます。
北京五輪が終わり、中国政府の綱渡りの経済政策が本格化します。インフレ対策から
成長路線への修正は二兎を追いながら、一兎も得ずという結果になりそうです。注目すべきはこうした経済政策の背後に共産党内の諸勢力の政治闘争が潜んでいることです。
いまや共産党は13億の国民全ての利益を代表しえる政党ではないのです。
成長路線に政策が転換したのは党内のネオキャピタリスト集団の巻き返しによるものです。
その一方、毛沢東派のリーダーだった華国鋒元主席が死去しました。私は彼が来日した際にすぐ近くで見ているのですが、彼の死亡を伝えるメディアのなかに清潔な作風を賞賛したものが少なくありません。党内でこれまで以上に左派バネが蠢動しつつあり、彼らは行き過ぎた市場化に大反対、さらに外資の跳梁跋扈にも強い反発を見せています。
近著「北京五輪後に何かが起こる」の中で指摘しておいた義和団的社会風潮が華国鋒賞賛報道の背後に存在しています。
この秋はいくつかの経営者相手の講演会で、中国経済の行方についてお話します。ただしいずれも会員制で、一般の方は入場できません。ごめんなさい。

②福田総理が退任しました。自民党の迷走が続きます。民主党も含め政界は溶解状態です。
さかのぼれば、幕末、世襲制によって形成されたエリート集団たる幕府官僚たちの危機感のなさと現状が重なります。
もう頭でっかちの「エリート」は入りません。必要なのは腹です。政治家の胆力こそが問われています。とはいえ、これからある程度の期間、なんでもありの政局が始まります。

③チャンネル桜のことが話題になっています。これからどういう事態になろうとも、このメディアが果たしたパイオニア精神は正当に評価されるべきです。私には桜の存在は「保守」、メディアというよりも、しっかり取材したファクトを充分な時間をかけて話すことのできる自由な媒体でありました。桜がなければ、「拉致処分」のからくりや日中友好利権の話、それに加藤紘一や河野洋平のチャイナロビイストの正体などを明らかにすることは困難でした。投稿動画を見ればよくもまあ、ここまであれこれ喋らせてくれたな、と改めて驚嘆する思いです。

④名前を聞けば誰でも知っている某政治団体で、東アジア情勢全般と日米関係について「講義」させていただきます。お聞きになる方はハイレベルな方々ばかりなので、気合をいれてレジュメを作成中です。



北京五輪後に何かが起こる
8月23日、発売

アーカイブ

BOOK

下で紹介している本のアマゾンIDは、特定失踪者問題調査会のID ( shiokazekanpa-2 )を使用しています。ご購入されると調査会に数パーセントの紹介料が入ります。財政難で放送縮小のピンチに見舞われている調査会へのカンパにもなります。ご協力ください。
敵国になり得る国・米国

中国の黒いワナ (別冊宝島Real 73)

誰も報じない中国の真実 (OAK MOOK 180 撃論ムック)

ニッポンの恥! [別冊宝島Real] (別冊宝島Real 75)

最近のトラックバック

  • 「チャンネル桜」
    • 新・へっぽこ時事放談
  • コカコーラ覇権・再び
    • 調査会と荒木和博代表を支持する勝手連(旧タイトル・東アジアのファシズムを斬る!)