コカコーラ覇権
先日、世界有数の炭酸飲料水メーカー・コカコーラが香港株式市場に上場中の中国トップ飲料水会社・ワイ源果汁集団を現金で買収した事実があきらかにされました。
買収金額は24億ドル、コカ社の買収額としてはこれまでで最大規模になります。
中国最大規模の国有企業ですら、資本と技術をもつ巨大な外資に吸収合併されているのが現実の中国市場経済の姿なのです。
飲料水だけではない。農業関連のアグリビジネスの世界でも同様な事態は進行中です。
コカコーラは先に終了した北京五輪の最大のスポンサーであり、キッシンジャー元国務長官の経営する「キッシンジャー・アソシエイツ」の創立以来の会員企業です。世界的なビッグビジネスが本格的に中国を「市場化」しつつあります。ワイ源集団だけではない。
拙著「北京五輪後に何かが起こる」のなかでも中国の優良民族企業が次々に外資によって倒産に追い込まれ、吸収されている事実を指摘しておきましたが、確実に訪れる中国経済の失速。それはレーニンの「帝国主義論」そのままに、市場争奪戦を激化させ、上海や香港などに上場中の中国トップ企業ですら、今回のように経営不振から倒産、買収に追い込まれる可能性があることを予感させます。
外資の市場独占化。これが中国で本格化したとき、彼らに解雇された労働者、長年中国産業の中で一定の影響力をもってきた民族産業経営者たちは何を思うのでしょうか。
小泉改革ではありませんが、地場企業の衰退と崩壊は地域のコミュニティを破壊し、安定を底辺から脅かします。内政といい、外交といい、まさに帝国主義の再来です。
私は平成の義和団が出現する可能性を否定することができない。
チャイナウオッチャーなら海外に進出する「赤い財閥」の躍進ぶりばかりではなく、それと平行して、海外で中国企業が買収劇を演じているように、外資もまた中国国内で伝統的な民族企業を管理下におき始めた事実を直視すべきです。
市場経済のルールには中国のひとり勝ちはありえないのだ。
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