先軍政治の終焉
数日前から北朝鮮の金正日総書記(国防委員長)が脳梗塞で倒れたという報道が世界を駆け巡っています。
ちょうど7月の阿佐ヶ谷ロフト講演を仕切ってくれた佐藤さんと、「義和団の中国」「先軍政治終焉の北朝鮮」の2つのテーマで、11月くらいに話をしようか、今度は新宿のロフトで、と話し合っていた最中の報道でした。
情報の精度については100%の断定はできません。しかし確かに状況証拠は「黒い」。
それは建国60周年を祝い、先軍政治のシンボルとして位置づけられた大々的な軍事パレードが形式的なものに終わったばかりか、肝心の金国防委員長が登場していないためです。
今回の軍事パレードの目的は単なるパフォーマンスではありませんでした。それは「軍が人民である」といい続けていた金総書記の提唱する先軍政治路線の正しさを国内外にアピールするための重要な政治行為であったのです。だがその舞台に主役はいなかった。
また噂されていたミサイル発射も現在まで行われていない。これらはいずれも軍の最高指揮系列の不在を暗示する可能性がある。
私とて正確な情報があるわけではありません。ですがいずれ時間が経過すれば、この事件の輪郭が徐々に姿を見せ始めるでしょう。後になれば、北朝鮮で60周年の軍事パレードに「将軍様」の姿がなかったことは71年秋、中国で国慶節パーティが急遽中止され、その理由が「毛沢東の後継者」林彪副主席の乗った航空機がモンゴル領内でなぞの墜落死したことであった故事に重なるのかもしれない。いずれにせよ報道が事実なら北の政権中枢に大きな空白が生まれようとしている。先軍政治の終焉が始まろうとしているのかもしれない。
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