「征韓論」とリアリズム

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来年のことを言うと鬼が笑うそうですが、その来年の話です。
2月8日に新宿のロフトで第三回目のライブトークを行います。今回はこれまでの阿佐ヶ谷ロフトではありません。主催は前回同様、佐藤悟志さんです。
今回は待望の(?)アジア主義論をやろうか、と話し合っています。歴史をさかのぼれば、この2月の14日は西郷隆盛を擁して、私学校勢が鹿児島を出発した日にあたります。
「征韓論」と西南戦争の総括、宮崎トウ天兄弟の話、そして玄洋社にいたる日本の在野の東アジア認識を紹介し、これに現在の朝鮮半島情勢を重ね合わせた話ができればいいのですが・・。
西郷隆盛の「征韓論」は当時の朝鮮を巡る周辺大国のパワーゲームを背景にしないと、単なる侵略論とされがちです。ですが、彼の現状認識の中には韓国と共にロシアの南下を共同防衛していこうという志向性があり、訪韓によって、この初歩的な戦略論を李氏朝鮮政府と語りあおうとしていたというのが私の見解です。
日韓提携論は同志であった勝海舟と、後の「脱亜論」の筆者・福沢諭吉も共に共有していたものでした。ここにまでさかのぼって、これから始まる「北朝鮮処分」以後の朝鮮半島の位置づけを日本の立場で考えてみたいのです。当日はオバマ米国新政権の対アジア外交と胡錦濤から習近平体制に移行を始めた中国共産党と北朝鮮の関係についても触れます。

さて、征韓論=朝鮮侵略論と単純に決めつける日本の学界やメディアの小児病の特徴は常に歴史を日本と相手国の二カ国関係の範囲だけで論じることです。

国際関係の方程式はいつも複数であって、単純な二カ国方程式だけでは回答は得られない。ですが、そうした国際的な広がりを持たない一国主義的な感想が私の「田中角栄と毛沢東」を上梓した際にもありました。
日中正常化の最大のポイントは田中角栄と毛沢東の首脳会談にあります。そしてここでは
20年以上も日本の中国外交を呪縛している過去の「侵略」問題は全くテーマになっていないのです。毛が田中に伝えたのは過去の「日本軍国主義の侵略」の話ではなく、当時中国が直面していた今現在の「ソ連社会帝国主義」からの侵略の可能性だったのです。
毛は「田中先生、日本には4つの敵があります。まずソ連です」と語りかけています。その目的はなにか。一時は中国に対して、核攻撃まで決断したソ連の「野蛮で好戦的な侵略の意図」を挫くために、中国の伝統外交である「遠交近攻」策、つまり、日本、米国、欧州との関係改善を通じ、その広範な統一戦線で、ソ連からの対中国圧迫に反撃しようというものでした。

その中国が日本軍国主義を批判の遡上にあげてきたのはこの10年後、82年の教科書問題からにすぎない。それまでは対日歴史認識など問題になってはいなかったのです。当然靖国神社参拝も同様です。
ではなぜ82年なのか。この年当時のブレジネフソ連共産党書記長がタシケントで歴史的な対中和解提案を行い、中国は中国で、華国鋒ら文化大革命と対ソ対決論にたつ指導部が登小平・胡耀邦らソ連との融和勢力に変わったからにほかなりません。
ブレジネス発言に対して中国外務省が「(発言に)留意する」とこれまでとは違ったトーンの反応を示し始めたことこそにこそ「潮流の変化」を嗅ぎ取るべきだったのです。ソ連との和解こそ、日本軍国主義批判に重点がシフトした最大の理由です。

先の話に帰ると、この点でアホくさかったのは、毛の日中同盟論をさして、一部の「反共保守」の方々が「あの本は対日工作のために中国が青木に書かせた」という発言でした。
ナントお粗末な「保守」なのでしょうか。
中国嫌いの過剰なイデオロギーだけで、そもそも客観的な「分析」ができるのかどうか。
重層的な、そして複眼的な分析は皆無なのです。
中国がいかにソ連の軍事的攻撃を恐れていたのか。それが毛と林彪の対立にもつながっていた事実、さらに対ソ同盟を急ぐ毛によってニクソンや田中は招待されたこと、こうした中国を取り巻く緊迫した国際環境が彼らには全く見えていなかった。
この程度の中国認識は当時の「人民日報」を1週間読んだだけでも容易にわかるはずなのです。「悪辣なソ連社会帝国主義はわが国わが党わが人民の最大の敵」と連日書かれているではありませんか。ならばニクソン訪中も田中招請もそうした文脈から読み込むべきなのです。
こうした「単なる保守」〔私の造語です・笑い〕の視野窄小はいまも続いています。「ブッシュ大統領は横田さんと会見した。だから米国は日本を支持している」とか「イランの核を黙認できない米国は北の核も黙認しない」とか、この間、およそ、現実感を喪失した希望的観測だけが語られてきたのです。
「単なる保守」には日本と米国の動きしか視野にない。だが、6者協議を主催した中国。その中国と米国の関係はどうなっているのですか、と私は一貫して問てきたつもりですが、米国の北朝鮮テロ国家指定解除のその日までブッシュ幻想が彼らを呪縛し、多国間のシビアでリアルな現実の情勢が丸ごと理解されることはなかったのです。

長くなりました。明治6年の征韓論を朝鮮半島をめぐる各国のパワーゲームとしてではなく、単なる日本と韓国の二カ国間の「侵略と被侵略」の歴史観で語るだけのサヨクの単細胞ぶりを「単なる保守」は本当に笑えるのか。これでは汚いたとえで恐縮だが、目くそ鼻くそではないか。

保守はいまや保守すべき理念を巡り、分解を始め、さらに情勢分析の主観性で時代から取り残されようとしています。私たちが寄って立つべき日本再生の道は、徹底的にファクト、徹頭徹尾リアリズム。これ以外にありません。
このブログも後2週間のみ。最後まで手を抜かずに書かせていただきます。





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「二千人委員会」 チャンネル桜支援 講演会

【平成20年12月16日(火曜)】

今、日本のリスクを問う!
①拉致問題から見た日本の安全
  同胞を奪還しうる「日本」へ(荒木和博)
②中国経済の危機と日本企業の選択
  第二の「ヤオハン」にならないために(青木直人)

■登壇者:
  青木直人(ジャーナリスト)
  荒木和博(拓殖大学海外事情研究所教授・特定失踪者問題調査会代表)
  水島 総(日本文化チャンネル桜 代表)

■日時:平成20年12月16日(火曜)
18:00〜20:00(受付開始17:30より)
■場所:横浜市青葉区公会堂
横浜市青葉区市ケ尾町31−4 TEL:045-978-2400
http://www.city.yokohama.jp/me/aoba/bunka/koukaidou.html
■入場料:無料
■主催:「チャンネル桜二千人委員会」横浜支部
お申し込み・お問い合わせは、下記までお願いいたします。
「日本文化チャンネル桜二千人委員会」事務局
( 月〜土 10:00 〜 18:30 )
TEL 03-6419-3900 / FAX 03-3407-2263
MAIL info@ch-sakura.jp




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