やがて中国の動乱がはじまる

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ここ数日風邪気味なのだが、それでも頑張って、集中的に、中国の内外から発表されている経済数字に目を通している。
結論から言えば、間違いなく中国経済は腰折れした。
電力消費量、粗鉄生産量、鉱工業生産額、自動車生産台数いずれも11月は全てマイナスであり、12月はさらに減速しているはずだ。
完全な自由化をしていないため金融危機は無縁と説明してきた中国だが、それ以前に実物経済のダメージが深刻になってきた。
頼みの内需の柱・固定資産投資も振るわない。こちらも失速中である。

「2009年中国成長率予想」
IMF 5%台
世界銀行 5-6%
(日本)内閣府 「米国の経済回復が遅れれば、5-6%」
これが世界の金融機関と日本政府の来年度の中国の成長率予想である。
そして、いまのまま、世界経済の危機が進行すれば、多分こうなる。

2007年 11・9%
2008年 8%割れ?
この数字と比較していただきたい。来年は2年前の半分以下に成長が落ちるというのである。
政府が死守するという「8%」どころではない。あきらかにデッドライン以下の数字なのだ。

これでは膨大な失業は避けられない。このままなら、今後数年で最悪千万人単位の失業者が街にあふれ、農村では食えない農民の離農が本格化する。これに1億2千万の民工の流動化が加わることになるだろう。
注目すべきは経済危機により、農村と都市部の間のマネーとヒトの循環サイクルに黄信号が点滅をはじめたことだ。

だが、日本外務省の対中諮問機関・「21世紀委員会」の委員・石川好氏はいう。
「都市で職を失った農民が故郷に帰り、ビジネスを起こす」と。
妄想である。一体何を根拠に石川氏はこんな世迷いごとを語るのか。
農村にはそんな資本も技術もない。この5年間、中国政府が年初に公布する「1号文献」はいずれも3農問題に集中している。3農問題とは農業、農村、農民の3つを指す。この対策が緊急だというのが中国政府の認識なのである。

なぜか、農村の現代化、成長が進まず、生産性は上がらず、農地は荒廃し、離農が進むばかりだからである。80年代、一時中国政府は農村対策に本気で、人民公社などの集団農業を廃止したものの、以後改革が本格化するにつれて、農村対策に力を入れていない。
ちなみに上海や広東など開放のショーウインドウを参観することの好きな登小平は内陸の農村を視察したことはない。そうした都市重視の政策のメダルの裏にあるのが3農問題の存在なのである。

農村経済は脆弱である。生産力は低く、そればかりかカネも、技術もない。これが事実の全てである。カネがなくて、どうして起業できるのか、どうして工場が建設されるのだろうか、さらに技術にいたっては、文盲を億単位でかかえる農村には期待できない。
また、そもそも中国4大金融機関のうち、最大の不良債権を抱えているのがほかならぬ農業銀行なのであり、この現実を見れば、起業に対する融資の糸は限りなく細いのが現実である。

それでも「いや、農村で新たな産業が起こる」と強弁するのなら、石川氏はあの郷鎮企業がその後、どうなったのかを説明すべきではないのか。
郷鎮企業というのは内陸の農村部の新興企業のことで、80年代、これこそが人民公社に代わり、農村の新しい未来像として、中国のメディアも日本のメディアも、大々的に取り上げ、褒め称え、強い期待をかけた「新生事物」だった。
要するに農村における製品生産のことなのだが、いまでは誰もこのことに触れようとはしない。理由は大部分の郷鎮企業が資本と技術不足のため、まともな工業製品を生産できず、そのため、生産した商品も最終的に、マーケットでまともな競争力を持ちえなかったためなのだ。

農民たちの必死の「村おこし」をかけた郷鎮企業の無残な現実。100年も、200年も前の話ではない。ホンの十数年前の話ではないか。しかもいまも郷鎮企業は存在はしているのである。
だからこそ、外務省直轄の諮問団体のメンバーが、この中国版農村ベンチャーの総括もなしに、農民が農村に帰れば、そこになにか新しいものが自然に誕生するかのようなホラ話をしてはいけないのである。そうした妄言は来るべき真の危機から国民の目をそらすものだからである。
私を絶望的にするもの。それは日本外務省の「21世紀委員会」日本側委員のユートピアな中国認識ばかりではない。ほかならぬこの石川氏もまた前回のブログで紹介した大谷氏と同様、あの「朝ナマ文化人」だったことである。
もうプロレスはやめようではないか。




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