収奪されるジャパンマネー
「終わらない対中援助」(1470円・PHP研究所)の見本誌ができました。店頭発売は18日になります。
中国向け援助は08年度で「終わった」と思われています。しかしこれは事実ではありません。日本の対中援助には①二カ国間の政府レベルの援助②国際機関を通じた間接援助 の2種類がありますが、「終わった」のは①、つまりODA(政府開発援助)の90%を占めている円借款だけで、それ以外の無償援助と技術協力はいまも中断することなく、継続中で、しかも、援助団体のロビー工作もあって、今後も続く方向にあります。
いわんや②の国際機関からの援助はODA(円借款)中止という国策とは全く無関係にいまも膨大な援助が継続しています。なかでも日本の財務省が支配するアジア開発銀行の中国向け融資はいまや単年度で、円借款の最高供与額(1年で2000億円程度)に近いものに膨張しています。同行の最大の出資国は日本と米国。つまり、円借款は中止されたとはいうものの、アジア開発銀行経由の日本の公的資金はいまも中国の大地に注ぎ込まれているのです。
「なぜ日本政府のODA中止と無関係に財務省の管轄下にあるアジア開発銀行からの融資は続いているのですか」
「アジア開発銀行の内陸の西部開発融資はチベットや新疆ウイグルへの経済支配につながるものではないのですか」。
こうした質問に対してアジア開発銀行からの回答は「当行は貧困撲滅を目的にした国際団体であり、そうした政治的な質問には回答できません」という政治的なものでした。
日本の対中援助は「終わらない」。なぜならこの国には政治が不在だからです。
世界的経済危機の深刻化。それに伴い、さらなるジャパンマネー収奪の国際政治力学が本格化します。
北朝鮮との正常化で予定されている「援助案件マップ」も掲載しました。これを見るだけで、北朝鮮支援の売国性と、援助が中国にもたらす経済メリットが理解できるはずです。
パートナーの古森義久さんとは「なんとしても拉致被害者切捨ての日朝正常化に反対していく」という点で相互確認しています。
また古森さんの丁重なODAについての解説はこれだけで国際開発援助の入門書になりえるほど中味の濃い、秀逸なもので、私も実に勉強させていただきました。日本を代表する国際ジャーナリストのリアルなレクチャーに仕上がっています。学生の方の参考にもなるはずです。ぜひご一読を。
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