近況もろもろ
発売中の「表現者」最新号24(「危機を乗り越える知恵」)に「二十年目の金賢姫」というタイトルのコラムを書きました。関心のあるかたはお手に取っていただきたい。
北朝鮮に拉致された田口八重子さんのご家族が韓国で、金氏と会見したことが話題になりましたが、テレビの映像のなかの彼女を見て、20数年前、マカオに潜行中の金賢姫氏の周辺を取材したときのエピソードを回想したものです。
富岡幸一郎・編集委員代表によれば、「私と榊原英資、三浦小太郎氏の3人の連載コラムは同誌の「売り」だ」ということらしいのですが、こうした「甘言」に釣られて?気がつけば、もう1年間も連載を続けていました。
実は今年の初めに情報誌をスタートする際、これまで付き合いのあったメディアとの関係を再調整せざるをえない必要性に迫られていました。絶対的に時間が取れなくなったからです。それで、「表現者」の連載も当初1年の約束だったので、次号で降板させてもらおうか、と、つい最近まで考えていたのですが、とりあえず書けるところまで書かせていただく、ということに落ち着きました。
それにしても富岡さん、精力的です。彼はいずれいま以上に、日本の文壇のキーマンになるでしょう。
グローバル化、グローバル化と散々書きまくってきましたが、私もとうとう当事者になってしまいました。講談社から発売した「田中角栄と毛沢東」がグーグルブックサーチの採用本になっているという連絡があったのです。
つまり、グーグルを通じて、この本が世界中からアクセスして、無料で読めることになるらしいのです。まいっちゃうよな、いきなり〔笑〕。
この件ではすでに日本文芸家協会が抗議声明を出していますが、グーグルの文化「帝国主義」そのものです。回答期限は5月の連休まで。結論はいま少し考えてみたいのですが、テクノロジーの発達と国際化がどんどん私自身の仕事にも押し寄せていることを実感します。「ニューズレター・チャイナ」(NLC)の購読者にも相当数、海外にお住まいの方がいらっしゃいます。
「田中角栄と毛沢東」はいずれ改定版を書きたい。中国は「古い友人」たるニクソン米国大統領の「ウオーターゲート事件」と田中角栄首相の「ロッキード事件」をどう見ていたのか。関係者のインタビューもすでに終了しています。田中失脚を直ちに陰謀論だけで語る「識者」が多すぎます。それはまだ検証されていないのです。
ただ、米国が事件に関与してようが、そうでなかろうが、田中外交は経済大国に復活した日本の第三世界自立外交として、米国サイドから強い警戒感をもって受け止められていた。
当時、中国の人民解放軍機関紙「解放軍報」はこうした日米両国間の外交的軋轢を「日本帝国主義と米国帝国主義の第三世界収奪をめぐる矛盾の表面化」と評していましたが、こうした政治的リアリズムを欠落させた「ロックフェラー」や「フリーメーソン」の謀略論が多すぎることは問題です。なんでもかんでも「フリーメーソン」。日本は平和です。
NLCの読者に、やや高齢な女性の方がいらっしゃいます。この方はこれまでPCは全くの素人だったのですが、NLCを読みたくて、PCにチャレンジ、昨日初めて、メールを送ることに成功し、念願の読者になっていただくことができました。
NLCを読むことだけを目的に、一生懸命メールの操作方法を覚えたとおっしゃるのです。
この方ばかりではありません。ある女子大生の方の場合は、1年前から私のファンで、情報誌の発刊も楽しみにし、購読者申し込みのお知らせ直後、直ちに読者になっていただきましたが、申し込み用紙の書き込みにはこう書かれていました。
「貧乏学生ですが、青木さんの記事を読めるのなら、生活費を倹約するくらいへっちゃらです」。
嬉しいです。お返しする言葉もありません。さらに深く、するどく状況に切り込む記事を書き続けることで、お二人のお気持ちに答えたい。これが私の素直な感想です。ありがとうございます。
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