天の方舟
10月2日(日)の産経新聞に書評を書かせていただきました。
紹介したのは「天の方舟」(てんのはこぶね)。
作者は服部真澄さんで、講談社から発売されています(1995円)。
この本は題材をベトナムにおけるODAをめぐる腐敗にとったもので、日本のODAに寄生する開発コンサルタント会社、JICA,さらに両国の政治家の姿が赤裸々に描かれています。またODAについて基本的な紹介があちこちにちりばめられており、その点からもお勧めです。
それにしても面妖な話です。服部さんは作家であり、ジャーナリストではありません。その彼女がODAの腐食の構造を暴きだす一方で、肝心の記者たちはいっこうに、援助の内幕について掘り下げた取材をしようとはしないのです。
私の場合は中国向けODAの取材を1980年代後半に始めましたが、それは当時中国全土に広がり始めた拝金主義とたかりの風潮と日本のODAが無関係なはずがないという予感でした。取材すればするほどひどい話のオンパレード。ですが、ある方の言葉を借りれば「これまで何度も記者に話してきたが、ただの一度も活字になったことはない」というひどさ。
「そうした中国のマイナス面を暴きだすことは日本の右翼を喜ばせるだけだ」。これは大手新聞社の北京支局長の発言。
「中国向けODAのレポートは中国をバッシングする目的で行われた」これは「日本を代表するジャーナリスト」田原総一郎さん。
「(青木直人の)「中国ODA6兆円の闇」は中国に多額の援助をする日本政府を非難するもので、中国を敵視した本である」
こう批判するのが東大の准教授。
もう笑っちゃうよね。
こうした面々が自称、不正を許さない「リベラル」だと。
単なる北京の芸者じゃないの。
ジャーナリストの仕事はまず書くこと。対中ODA擁護論者の多い朝日新聞、毎日新聞ですが、彼らはとにもかくにも、これまで韓国、フィリピン、インドネシアと独裁体制がいかに日本の援助を食い物にしてきたのかを告発してきました。
ですが、こと中国にだけは奇妙な沈黙。それでいて、「援助を中止してはいけない」。バカ丸出しです。援助の継続か,否かは事実の検証を受けて決定しうること。取材もせずに、なぜ継続という結論ありきなのか。クーラーの効いた部屋で作文書いてんじゃねえよ。
ここまで読んできて、怒り心頭のあなたに。
「天の方舟」を勧めます。産経の書評も読んでね。








