キッシンジャー訪中
米中関係は対立と協調の二つの側面をもっています。
オバマ大統領の新国防戦略を持って直ちに米中冷戦と受け止める見方に私は違和感をもっています。
この新戦略には漂流しつつある日米安保と日本の自立化を警戒し、そうした方向性を封じ込め、ふたたび米国の世界戦略に取り込もうという思惑が見て取れます。
米国の不安の背景には、尖閣事件以後、日本国内で彷彿と湧き上がった「日米安保は尖閣に適用されるのか」「米国の核は有効なのか」という安全保障の根幹への疑問と不信があるのです。
米国か、中国かという不毛な二項対立ではなく、「自分の国は自分で守る」という世界の常識に立ち返ることが重要です。
尖閣事件は「他国に過剰に依存した「平和」についにピリオドが撃たれたということ」(「尖閣戦争」あとがき)なのです。
私は日米安保破棄論者ではありません。それは日本の孤立を一層促進するリスキーな選択肢であると考えています。ですが、そのことは米国のもつ覇権的意思を無視するということイコールではないはずです。
昨日も書いたように、櫻井よしこさんたちのTPP参加論に感じる危うさもここにあります。
この件は締切の原稿が終わり次第指摘したいと思っています。
さてその中国と米国です。13日に北京で、中国を訪問したキッシンジャー元国務長官が王岐山副首相を会見しています。彼はこのあと温家宝首相や胡錦国家主席とも会う予定です。
NLCの最新号で指摘したように、王は次期首相候補に急浮上した経済金融部門のキーマンで、彼の対米コネクションは驚くべきものがあります。
キッシンジャーと王は両国の経済関係と世界経済の情勢について話し合ったといいます。
ニクソン訪中から40年。当時の立役者キッシンジャーと市場経済が生み出した「赤い資本家」は何を語り合ったのでしょうか。本当に米国と中国は対決だけしているのでしょうか。
対立をエスカレートさせないだけの40年にわたる重厚な人脈が両国にはあります。それが動き始めたとみるべきでしょう。
カギは「両国の経済関係」です。米国国債最大の保有国は中国です。
1ヶ月前にはキッシンジャーの弟子であるガイトナー財務長官も訪中、引き続き米国国債の購入を中国政府に要請しています。今回、キッシンジャーも同様な話を行なっている。
NLCの読者は理解しているはずですが、オバマの米国はチャイナマネーでチャイナと戦おうというのでしょうか。矛盾は早くも露呈し始めてきました。
読者の方へ
情勢が大きく動き出しているので、毎回毎回今回は何を取り上げようかと本当に
頭を悩ましています。いずれにしてもなんとかするつもりです。
【NLC講演会】
●台湾総統選挙と中国「ジャスミン革命」の可能性
ゲスト 福島香織(元産経新聞北京総局記者・ジャーナリスト)
日時 1月22日(日)13・15~16・00
場所 文京シビックホール3階 会議室1&2
参加費 3000円
交通アクセス:http://www.b-academy.jp/b-civichall/access/access.html
■ニューズレター・チャイナの詳細・お申し込みは、http://aoki.trycomp.com/NL/ から。






