竹内好は偉い
1月16日、正午、ニューズレター・チャイナVol.234を配信しました。
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2014年世界の基本トレンド
〜どうなる!中国経済と社会
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●安倍総理の靖国神社参拝がじわじわと国際的反響を起こしている。
●「侵略を憎むあまり、侵略と言う形を通じてあらわされているアジア連帯感までを否定するのは、湯と一緒に赤ん坊まで流してしまわないかと恐れる」(「日本人のアジア観」。
●「そもそも『侵略』と『連帯』を具体的状況において区別できるのかどうかが大問題である」。
●「西郷が反革命なのではなく、逆に西郷を追放した明治政府が反革命に転化していた。この考え方は…明治のナショナリズムの中から芽生えたものである。それを左翼は継承せず、右翼に継承された」(ともに「日本のアジア主義」)。
竹内好はこう語る。
これが思想なのだ。
●「しばき隊」か「のりこえねっと」か、しらんが、「侵略」と「連帯」はそれほど簡単に峻別できるものなのか。
ならば1978年に起こったベトナムのカンボジア侵略について自説を聞かせてほしい。あれはまさしく「侵略」行為そのものである。
●にもかかわらず、その「侵略」がなければ、ポルポト派による粛清劇に幕が下りることはなかったことも事実なのである。
「侵略」は同時にカンボジア国民に対する「連帯」となり得た。政治的文脈から言えば、この両者を区別することは極めて困難である。
●だから「共生論者」たる「のりこえねっと」の方々に聞きたいのである。ベトナムのカンボジア介入は「侵略」なのか、それとも「連帯」なのか、と。いずれ私たちは北朝鮮有事にこうしたアポリア(難題)を突き付けられる。憲法9条論者たちには「帝国化」する一方の時代状況に対して思想的苦悩はないかのようである。
竹内好は良い時代に亡くなったものである。
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1月の講演会予定
1月26日(日)
午後6時10分から
文京シビック・スカイホール(26階)
参加費;3,000円
予約不要・どなたでもご参加いただけます。
上記講演は延期とさせていただきます。
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