実体論としての米中金融「同盟」

昨夜は底冷えのなか、講演会場に足を運んでいただき、本当にお疲れ様でした。

講演のテーマである「米中金融『同盟』」について、ネット上にはびこる謀略論のレベルではなく、実態として米国と中国が互いに互いを必要不可欠にしているという現実、相互依存関係の深刻さを事実を紹介することでクリアなものにすることができました。

1990年代、天安門事件を契機にした両国の政治的衝突から、やがて、米国と中国は人権ではなく、対日戦争における共闘という虚構の「歴史認識」を共有することで、和解に成功、さらに社会主義陣営崩壊後、生き残りをかけて、中国共産党はスターリン型社会主義体制から未知の領域である市場経済路線に踏み込んでいきます。だが悲しいことに、共産党は市場経済とは何か、どうすればいいのか、そうした見取り図をもってはいなかった。

そうした中国の政策転換と経験のなさにつけいる形で、米国の情報・金融ビジネスとホワイトハウスは巧みに共産党指導部周辺に新自由主義エコノミストを送り込み、そうした米国版「竹中平蔵」を通じて、中国に米国型市場経済路線を売り込んできたのです。

中国の市場経済はまず有力国有企業の株式化からスタート、上場を仲介したのが後に米国財務省のトップに首脳を送り出したゴールドマンサックスなど米国大手投資企業でした。こうしたマネービッグビジネスの中国への食い込みを通じて、中国市場経済が生み出した富はドル一極支配に組み込まれ、米国国家財政を支える一方、中国製品の大幅な貿易赤字に見られるように米国側の大幅な輸入超過現象は輸出依存度の高い中国経済の重要なライフラインが米国であるとこを示している。

今や米国に次ぐ世界第2の経済大国中国。そのGDPは日本の2倍強、外貨準備高はさらに大きく、日本の3倍という現実。

GWの安倍総理のワシントン訪問打診には未だに回答がなく、9月の習近平主席の訪問は直ちに受け入れが決まるという両国へのこの対応の差がオバマ政権のホンネを想像させます。

日米安保の前に立ちはだかる米中金融「同盟」の存在。北京はこの重い事実をバックに、米国を通じて、安倍政権が行おうとしている8・15の歴史談話に強烈なプレッシャーをかけようとしています。2015年。私たちの目の前で繰り広げられる政治の光景はそのようなものとしてあるのです。

講演の詳しい中身を知りたい方は近いうちに完成するDVDをお求めください。なおすでに予約を申し込んでおられる方はいましばらくお待ちください。1週間から10日くらいで出来上がるはずです。

2月16日

青木直人