青木直人BLOGでタグ「中国」が付けられているもの

再びキャスター

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27日(火)の夜8時から1時間半、二回目の「桜プロジェクト」のキャスターを勤めます。今回は私が過去某国を取材した際の秘蔵(?)映像を紹介しながら、解説をさせていただきます。前回報じたアジア開発銀行と日本のODAが漢民族のチベット、新疆の経済進出のためのインフラ整備に利用されているという話は、幸いにも好評でした。
日本の中国援助の中味をもう一度洗い直して、そこから今も中国に対する世界最大の援助国である日本の中国外交の全体像を検証する必要があります。
チベットはチベット、東トルキスタンは東トルキスタン、台湾は台湾と個々の運動が別れているのはいいことではないのです。そうした運動をつなぐ一本の線が必要なのではないでしょうか。その日本からの援助ですが、日中互恵関係の掛け声のもと、事実上ODAが「復活」中です。
今年度で廃止されるODAは円借款だけ。無償援助も技術支援も廃止になってはいません。
なかでも無償援助の「円借款化」がすすむ可能性がある。無償援助はタイドといって、ひも付き。必ず日本企業が受注することになるのです。
援助再開のからくりは日本企業を抱き込むことにあります。反対の声を封じるのが目的です。
朝日新聞を読むと、中国環境支援歓迎の記事が目に付きます。環境案件は登小平の次女登楠がキーマンです。かつて、三女の登溶が上海援助に関する実力者だったことと重なります。権力者とODA.朝日新聞と「朝日ジャーナル」は過去、韓国やフィリピン、それにインドネシアの援助腐敗には「正義のペン」をふるったものですが、それはそうした国が小国だからに過ぎません。それが証拠に中国疑惑には決して触れようとはしない。「ジャーナリスト」たちの「正義のペン」が大国中国に向かうことは今後も期待することはできないでしょう。
その「朝日ジャーナル」の編集長が筑紫哲也でした。この男が日本記者クラブから賞をもらったとか。二回笑いました。いまどき「記者クラブ」、そこから褒められる筑紫哲也。言論界の談合を見る思いです。自己検証なき戦後の言論空間の腐臭が漂います。

機会があれば、市民の方々や民間団体と一緒に「中国援助見直し」の集会を開いてみたいと思っています。ご意見をおよせください。

東アジア激震

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今年の初めに今年は東アジアの動向が注目される1年になると予想しましたが、まだ1年の半分も経過していないのに、様々な動乱の兆しが発生しています。
朝鮮半島では米国の北朝鮮テロ指定解除が近づいているし、それと平行して金政権の内部から崩壊の足音が聞こえてきます。日本との関係で言えば、日本人拉致問題が大きな転機を迎えるはずです。

昨日の調査会の緊急集会のあと、親しい知人と会食した際にも話したのですが、拉致問題に対するこちら側の最大のアキレス腱は正確な情勢分析が出来ていないことにあります。
私が『救う会』全国協議会の『情勢分析』に不満なのは、関係各国の動向をリンゲージして読み解こうとしていないことなのです。その結果運動方針が的外れになりがちで、失ってしまった膨大な時間の大きさに唖然としてしまいます。
今行われているのは東アジアの『外交』なのです。当然関係国の思惑と外交関係を重ね合わせていかないと本当のところはわからない。中でも中国の思惑が正確に理解できていないと、はちゃめちゃな結論になってしまいます。

果たして中国政府は『拉致問題で共闘しえる相手だったのか』。この総括はできているのかどうか。またブッシュ政権は本当にライスとヒルだけが主導して、大統領は勝手にやらせているだけなのか。米国のテロ指定解除はなぜ行われようとしているのか。誰が考えても中国ファクターの存在がその理由なはずですが、なぜかそこには触れようとしない。

『救う会』は米国に、中国に、と各国を行脚した。だが米国を除けば、中国での行動については詳細をあきかかにしていない。これはなぜなのか、どうしてなのか、と書けば桜井よし子さんに似てしまうのですが、ここがわからない。昨日の荒木さんの「決起」に続いて、私もこれからこの場を借りて疑問点を紹介していきたいと思っています。それは質問であり、疑問であって、誹謗中傷ではないことを最初にお断りしておきます。

追加
①四川地震、このままで行けば暴動の可能性もあります。余震が繰り返されれば、倒壊はさらに急増します。四川は99年から始まった西部開発の中心です。
それだけに手抜き工事がごろごろあるのです。
②昨日この地震の件で東スポからコメントを求められました。あの東スポです。これ以上は書きません。私の近年の感動本は『1976年のアントニオ猪木』(柳澤健・文藝春秋)でした。今日は『女性セブン』など幾つかの週刊誌からも。うーん、チャンネル桜だけではいかんな(笑い)。

愛国攘夷の足音

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アジア情勢が動き始めたようです。
朝鮮半島もそうですし、五輪をめぐる世界と中国国内の動向にもそれを感じます。
8月8日から始まる北京オリンピックは間違いなく荒れる。五輪は史上初の世界的イベントとして否が応でも「中華ナショナリズム」を強く刺激する。その一方でチベット弾圧を契機にした世界的な中国非難も拡大するばかりだからです。
これが中国市民の「歴史的被害性」を刺激する。「恥辱の近代史」を五輪開催を通じて、乗り越えようとする中国人の国民意識は国際的な「人権を利用した内政干渉」に対して大きな反発を見せるはずです。
競技会場の内外で大規模な活動家と中国市民の衝突もありえるはずで、北京オリンピックは13億の愛国攘夷が爆発する舞台になろうとしています。
北京に住む中国の知人が天安門事件の後、口にした言葉が忘れられません。「何が人権ですか、中国が強くなるのがいやなだけ!それが本音ではないのですか」。
西側の経済制裁に対して語った言葉です。
今回のチベット蜂起をきっかけにした五輪批判も彼らの目には「中華民族の偉大な祭典」への国際的な妨害としか映らないのです。
歴史の被害者意識を過剰なまでに胸に刻む中国人(漢民族)たちの視線のなかには、中国人によって歴史も文化も抹殺されていく他民族の悲劇は存在していない。彼らの歴史観と世界観が変わらない限り、世界はこれからもチャイナプログラムに悩まされ続けるでしょう。
選ばれしものの恍惚と不安。ふたつ我にあり。五輪の熱狂が恍惚を、そして、足元まで迫る市場経済による国民の分解が社会不安を高めます。政治の季節が始まろうとしてます。

「中国村」

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以前、日本の朝鮮研究者の世界を関係者が「朝鮮村」と呼んでいることを畏友・荒木和博氏(拓殖大学教授)から聞いたことがある。それなら中国関係者の世界は「中国村」ということになるのだろう。
「中国村」は一言で言えば「八つ墓村」である。百鬼夜行魑魅魍魎、ダブルスパイが当然のように徘徊している世界なのである。ここの住人はさまざまで、極左から極右まで、元総理からホームレスまであらゆる階層の住民がいる。
元満州国憲兵にしていまは天津甘栗屋のおやじとか、朝鮮戦争当時、地下に潜行した日本共産党の「人民艦隊」で徳田球一書記長(当時)ら党幹部を中国に送ったという老人もいる。先日なくなった瀬島龍三氏が国交正常化前から中国政府機関とひそかなつながりを持っていた事実も「村の住民」から詳細に聞かされた。
生前田中角栄の新潟の生家に北朝鮮の金日成から届けられた色紙が保存されていたことを知ったのも権力中枢に近い「中国村」に戸籍のある人物の口からである。

村には「ジャーナリスト」もいる。千差万別である。ある若い読者から「誰が信頼できるジャーナリストですか」と質問されたことがある。それはいえない。私も「村人」であって、実名を上げると差し障りがあるからだ。(笑い)
だが物差しはある。これまでの発言や分析に一貫性があるかどうかがまずポイントになる。つぎに、あまりメディアに頻繁に登場していないこと、なかでも地上波テレビや週刊誌にでていないこと、これをやりだすとメディアの側に振り回されてしまい、自分個人の視点がなかなか確立しない。最後がニュースソースとの距離である。よくテレビなどで「私のつかんだ情報では」として解説を始める方がいる。間違っているとは言わないが、情報提供者に都合の悪い話は決してできない。政府関係者、なかでも外務省関係者をソースにしているかどうかのリトマス紙は「ODA」である。彼らは日本の対中援助を正面から批判することはしない。外務省が一番ナーバスになるのがこのテーマだからである。ODAを非難の遡上にあげた場合、確実に外務省からのリークはカットされる。
中国批判をする「識者」はいる。だが彼らが環境支援に反対したり、ODAを中止せよと口にすることはないのである。ここらを参考にして「ひも付き」の「ジャーナリスト」かどうかを判断されたい。最後に一言。
あなたは中国大使館に一番よく出入りしている日本の政治家が誰かご存知ですか。
これは書きません。中国村は八つ墓村。祟り(たたり)が怖いのです(笑い)。

中国観察の作法

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1年に1回開催される全人代が始まった。チャイナウオッチャーにとっては情報のかき入れ時である。私も毎日毎晩CCTV(中国中央電視台)はつけっぱなしで、必要な報道は録画して再視聴している。いい時代になった。以前は大会のライブ情報は短波ラジオでしか収集できなかったからだ。だが短波は辛い。夜中と早朝以外はまともに聞こえない。
自宅の仕事部屋の外に長いアンテナ(7メートル)をつけ、窓際に短波ラジオ(ナショナル製で、20年前で10万円はした)をおいて、静かに周波数を合わせ、カセットレコーダーに録音するのだが、アンテナ線を室内に引きこんでいるので、冬は寒風が、夏は暑さがもろに部屋のなかに侵入してくる。その後、録音したテープを聴き、数日後に中国から送られてくる人民日報や解放軍報の記事と参照するのである。これが当時普通のチャイナウオッチングのスタイルだった。
だから初めて中国を訪問してホテルのテレビ番組を見たときはオーバーではなく、大感動であった。雑音もウエーブも全くなかったからだ。
涙が出そうだった。それが嬉しくて、嬉しくて私は毎日毎晩ホテルのテレビばかりを見ていた。
先日ある中国人と会食した際、『記録新聞』の話題で大いに盛り上がった。「記録新聞」とは直訳すると『記録するニュース』。日本ではまずお目にかかれない報道の仕方で、ラジオでニュースを流す際に、人名や地名をいちいち丁重に漢字で説明するのである。たとえば『周錦』という地名があるとすると、「周」は周恩来の「周」、錦は「錦江」の錦という説明がそのつど繰り返されるのである。理由は国土が広く、漢民族を除けば、少数民族は55と多様で、文盲も少なくないため、正確にニュースを伝えるには極め細かい説明が不可欠とされたからだ。
先の中国人は紅衛兵世代で、彼もまた当時毎晩「記録新聞」をよく聴いていたという。「青木さん、もう中国人でもそんな番組があったことは知らないですよ」。そうだろうな。

政治的に加工された公式情報を読んでも本当のことはわからないという声もある。一概には否定しないが、『開放』中国はまだまだ報道までが開放されているわけではないし、なによりも共産党最高指導部内の政策決定過程はオープンにされていない。これは今も最高機密である。
だから公式報道を『読む』ことが必要になる。なにが書かれていて、なにが書かれていないのか、ここが最大のポイントになる。
20年前、中ソ和解が噂され始めていたころ、ある総合雑誌に次のような記事を書いた。「わたしたちは早ければ来年前半(89年)中ソ首脳の30年ぶりのにこやかな会見の光景を目撃することになるだろう」と。
おそらく私のこの予想が世界でも最も早かったはずで、米国大使館がこのレポートに注目していたと、後で第三者から聞かされた。
だがそれは例外で、記事は酷評された。「まだまだ対立はすさまじい。そんなに短期間に正常化が実現するはずがない。ありえない」。だが翌年5月ゴルバチョフソ連書記長は中国を訪問、鄧小平や趙紫陽総書記と会見し、中ソは和解した。
以前経済産業省の高官相手に中国東アジア情勢を解説したレポートを書いていたことがある。ここでも、中国の草の根の反日モードの拡大、上海で森ビルが建設計画中の世界金融センタービル建設の直面している政治問題、それに米国企業と中国共産党幹部の子弟との密接なつながりなどのインサイド情報をあきらかにしたが、そうしたスクープも中国の公式報道の丹念な積み重ねなしには不可能だった。ここが分析のバックボーンになる。
これから中国市場経済の胸突き八丁が始まる。共産党の政治的手腕が問われるだろう。だが想像以上に共産党の信認の危機は深まりつつある。米国は中国の「危機」を座視しないだろう。
公式報道からはそんな予想が見えてくる。

毒入り餃子の経済学

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中国公安当局が記者会見で正式に『毒物は中国国内で混入した可能性は低い』と発表しました。当然予想された発言です。メディアのなかには「実行犯を引き渡して幕引き」との観測が流れていましたが、私は「それはどうかな」という認識でした。
中国メディアの報道内容を見れば、明らかに『中国被害者論』が堂々と主張され、新華社ですら日本の報道を『拷問』と形容していたからです。こうなると、他者への迫害には無頓着だが、自己への批判は過剰なまでに被害性を言い募る『中華愛国主義』が商業倫理に優越することは火を見るよりもあきらかでした。

まず確認しておくべきは今回の公安部の発表は対日関係全体の文脈のなかで行われたものであること、狙いは4月の胡錦濤来日という10年ぶりの国家最高首脳のイベントを念頭において行われたものだということです。これから始まるのは毒餃子など中国食品の輸入問題は『事実の検証』ではなく、胡と福田内閣の政治的妥協として処理されるであろうということです。結論は『今後は気をつけてください。頼みますよ』という程度のものでしょう。
そうした「喜劇」を予想させるように福田首相は中国の発表を「前向きだ」と評価しています。福田内閣はなぜここまで中国政府に迎合するのか。
背景にあるのは日中両国のナショナリズムが和解してはいないという現実です。中国重慶で行われたサッカーでの日本人選手に対する大ブーイングは骨がらみの反日排外主義が草の根を覆う今の中国の姿を赤裸々に見せ付けました。当然日本でもこれに対して、中国に言うべきは言わなければならないという国民的常識は広がります。こうした事態こそ、今や両国貿易総額が2366億ドルと対米貿易額を抜き去り、対中輸出が1000億ドルを突破した財界が恐れる危険な要因なのです。昨年あたかも福田政権誕生に合わせるかのように財界の総本山・経団連は『中国との経済的つながりを強化し』『東アジア共同体設立にむけて一定期間内に方向性を出すべきである』と提言しています。

福田はそうした財界の声を背景にして、日本の対中ナショナリズムをなんとか沈静化させたいとしているのです。彼だけではありません。中国との新しい利権に首を突っ込み始めた中川秀直は小泉外交に対して『国民のナショナリズムを管理すべきだ』と口にした政治家として有名ですが、彼がいまや与党実力者にして、首相を生んだ清和会のニューホープであることに注目して欲しい。中川は北朝鮮との正常化を目指す「日朝友好議連」の幹部も務めています。一言で言えば、中国ビジネスにしろ、拉致問題にしろ、国民の正当な怒りやナショナリズムは障害にしかならず、その結果利権にもカネにならないのです。
彼らの最大の応援団が朝日新聞など「リベラル」なメディアです。中国に迎合していれば叩かれることはありません。世界にも稀な記者クラブの特権性に胡坐をかいている「ジャーナリスト」たちはこれほど政治的なのです。
戦後初めて日本人の正当な愛国心が中国の度重なる靖国神社参拝干渉によって目覚めた小泉時代。いまも中国がこの時代を『暗黒』と読んでいる事実は、彼らと『相手の嫌がることはしない』と公言する能天気な福田首相がなにを恐れているのかを暗示しています。
国がやらないのなら国民がやる。中国製品不買運動こそが最大の自衛策です。
4月、日本を訪問する胡錦濤主席は日本人のひややかな国民感情に迎えられるはずです。
それは人民大会堂で朝貢する政治家たちのお追従とはちがい、間違いなく日本人の対中感情なのです。
『つくられた友好』に国民はあきあきしているのです。

【書きました】
戦略情報研究所のニューズレター「おほやけ」に先日の王家瑞・中国共産党中央連絡部部長の訪朝時に、金正日労働党総書記が『中国を絶対に裏切らない』と発言した政治的な背景を連続して解説しました。中朝関係は確実に『変質』を始めています。

ニューズレター「おほやけ」
http://senryaku-jouhou.jp/MailMagazin.html

ブッシュ・シニア

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一昨日行われた『南京の真実』完成試写会は大成功だったようです。関係者の方々、参加された方々、お疲れ様でした。さらに第二回、三回と成功させていきましょう。

ニューヨークフィルハーモニーが2月25日から訪朝して、翌日26日には首都ピョンヤンでコンサートを開きます。コンサートの模様は全世界に中継され、長く敵対関係にあった米国と北朝鮮の『友好』が演出されることになります。
フィルハーモニーの公演を背後で仕切ったのは「コリアソサエティ」というニューヨークにあるコリアロビーです。トップにいるのはドナルド・グレッグという元駐韓大使で、ブッシュ大統領の父親であるブッシュ・シニアの朝鮮政策のブレーンでもあります。
グレッグは何回も訪朝した経歴をもつ北朝鮮の『古い友人』のひとりです。昨年北朝鮮外務省がシニアの北朝鮮訪問を正式に招請している事実はテイクノートしておくべきです。
ライス(国務長官)・ヒル(国務次官補)らの国務省ラインだけではなく、大統領の個人的な外交チャンネルの動向も慎重に目配りしておく必要がありそうです。米中関係の「正常化」の際にも、ピンポン外交という「民間外交」が先行した事実を忘れてはいけません。
たびたび宣伝めいて恐縮ですが、「敵国になり得る国米国」(PHP研究所)を参考に。





お勧め本です。

21xsBd7DpPL.jpg『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』(宮崎正弘・KKベストセラーズ 1600円税別) 在野のチャイナウオッチャーの第一人者である宮崎さんの最新作です。中国の内外の諸矛盾がいずれは破綻するとして、日本企業の中国からの撤退が強く警告されています。宮崎さんと面識を得たのは数年前の『チャンネル桜』の討論会で同席してからで、番組内では毎回、常に地図やパネル、それに現地取材で撮影してきた写真を紹介されていて、説得力があります。本のなかにも宮崎氏が現地で自身で撮影した写真が挿入されています。 中国経済の実態、共産党、解放軍の知られざる内幕、また中国の旺盛な資源外交の姿など いずれもコンパクトにまとめられていて、これ1冊でほぼ現在中国がかかえる深刻な問題が理解できるはずです。 なかでも、巻末のエピローグ「対岸の火事では済まされない」は短いものの、ぜひ熟読していただきたい。今後も対日工作が活発化し、反日暴動の再発は必至である。またブッシュの北朝鮮政策は『米中蜜月時代』を象徴する出来事であり、米国の力を衰退が日本、台湾だけではなく、アジア全体に影響を与えることなどが危機感をこめて、指摘されているからです。ここまで相互依存関係を深めた日本や世界にとってチャイナリスクの深刻さを考えるうえでも参考になり得る一冊です。

風邪がなかなか回復しない。おまけに締め切りが集中していて、とてもクリスマス前夜のはなやかさなどどこにもありません。今年の風邪はきつい。起床しては原稿を書き、疲れるとふたたび寝るという悲惨な毎日がつづきます。

福田首相の中国訪問が27日からと決まりました。直前に発生した「日中ハイレベル経済対話」で合意・発表された文書の一部を中国側が一方的に削除した問題はなにごとも穏便を旨とする福田内閣では特に問題にはならなかったようです。高村外相もいたって物分りがよく、苦笑するばかりです。なぜか新聞もテレビも彼がチャイナロビー「日中友好議連」の会長ポストについている事実には触れようとしていません。以前取材した高村事務所の対応は実に愚劣で、女性秘書は取材にひたすら逃げ回るばかり。なるほど会長ポストとはいまどき必ずしも名誉職ではないのだな、と妙に納得したものでした。なぜ国民の税金で訪中し、人民日報にも「日中友好議連会長」の肩書きで紹介される高村外相の秘書は取材に応じないのか。それは内閣府の先日の世論調査にもあるように、国民の70%ちかくが中国に対して不信感情をいだいているからにほかなりません。

年内の訪問は中国サイドが強く希望し、これに日本側が応えたかたちです。最終的に12月ぎりぎりでスケジュールが決定したのは二階俊博総務会長の北京における中国首脳との話しあいの結果です。同時に懸案の東シナ海の海底ガス開発紛争についても、ついに落しどころは見つからなかったようです。何の対抗カードも用意せず、お願いだけをしているのですから、中国サイドが応じるわけがない。当たり前でしょう。
こうなるともう福田訪中は朝貢外交以外ではない。公文書削除にも東シナ海の不法採掘にも抗議しない。しかも来年3月に実施される台湾の国連加盟に関する国民投票にも反対を強く約束するはずです。
こうして首相を筆頭にして、与党である自民党・公明党と最大野党の民主党が競い合って朝貢し、それに社民党と共産党がエールを送るという馬鹿丸出し外交が続きます。
訪問地に天津が上げられているように、胡現政権は江沢民が上海をそうしたように、自分たちの既得権益のための開発地域にせんと、日本からの投資と援助を執拗に要請してくるはずです。その演出のための天津訪問なのです。加えて、首相の口から中国の環境と省エネ対策へ公的な経済支援も確約される可能性も高い。

胡錦涛たちは福田総理を訪問させることを通じて、日中関係を小泉、安倍の二大政権以前に戻そうとしています。中国のメディアが小泉政権当時の日中関係を「暗黒の時代」と呼んでいることは何度も書いてきましたが、それだけに福田訪問で「日中新時代」を演出したい。そのためには中国国民が容易にわかるような政治的なメッセージとセレモニーが必要とされるのです。それは日本側があらためて「歴史認識」を再確認し、過去を反省し、靖国神社公式参拝を明確に否定することです。さらにそれらを実効性あるものにするためには、福田総理が中国国内最大の反日記念館である北京の抗日記念館など「日本軍国主義の罪科」のシンボルを訪問し、「不戦」と「日中友好」を「表態」(行動で示す)する以外にないでしょう。また「友好」はただではありません。「援助」再開もまた欠かせないものです。具体的には08年に終了したODAに替わる「第二のODA」が不可欠となるはずです。そもそも中国が言う「日中友好」とはなにか。中国共産党に敗北した「侵略国」日本がその罪科を永遠に謝罪し続け、中国国民の排外的なルサンチマンを満足させ、それを通じて、日本の政治的軍事的台頭を牽制することなのです。また「戦勝国」中国は日本から賠償金をうけとる権利があり、それを中国ではなく日本の側から申し入れさせることも欠かせない。これが日本の贖罪意識を徹底的に利用した北京の側から見た「日中友好」の実態なのです。彼らに日中共同声明で周恩来が賠償金を放棄した事実を何度話しても、なにもかわらない。近代的な市民革命の歴史をもたない中国国民の夜郎自大ぶりは際立っています。
贖罪と援助。このふたつを福田総理が具体的にあらわして始めて、中国がいう「暗黒の小泉時代」が名実ともに終わるわけです。逆に日本人の側から言えば屈辱と絶望の「日中友好」がまたまた再スタートするというわけです。しかし、日本がどれほど今後も中国を支援したところで、彼らが日本に感謝することはありえない。日本の援助は緒戦は賠償金なのです。指導者が下手に感謝などすれば漢奸(売国奴)として彼らは失脚するでしょう。周恩来ですら対日外交ではそうした非難の声が一般的なのです。

総理の中国訪問について、注意してほしいのは新聞テレビの報道です。訪問中の記事の大部分は外報部ではなく、政治部の記者が書きます。彼らは政局に関心はあっても日中関係や中国の実情に詳しいわけではありません。そのためソースは外務省や首相周辺など「訪問成功」の声にミスリードされ、記事にも自信がないため各社横並びになりがちです。記者クラブ制度が招いた記者の取材と分析能力の低下は目を覆うばかりで、安倍訪中の際にも「首相が靖国神社参拝について言明しなかったため、訪中が成功した」なる「解説」が飛び交いました。大笑いです。事実はそうではない。中国の側が尻に火がついたのです。反日デモのせいで、日本からの投資は翌年06年度は30%も激減、減少傾向にはいまも歯止めがかかっていません(今年もほぼ同じで30%台)。
民間の投資が減っただけではない。当てにしていた日本のODAも08年度で中止が決まった。そのため、11次5ヵ年計画(2001−2005年)の予算にも影響が及び始めていたのです。そもそも日本のODAは当初は5ヵ年一括で供与されてきました。理由は中国の5カ年計画に合わせていたからなのです。つまり中国政府は予算を組む場合、最初から日本の援助をカウントして長中期の経済計画を練っていたのです。そのODAがストップした。これには中国政府内部でも危機感が高まった。1年で平均2000億円規模のカネがコンスタントに入っていたのです。中国国内でもジャパンマネーに群がる特定勢力がうまれ、彼らがこの30年間に築いた巨大なODA権益は膨大なものになっていたのです。
政府内部でも、日本の援助中止に、商務部(対外援助の窓口)は動揺し、反日デモにも内心では大ブーイング、彼らのなかにはこうはき捨てる人もいたのです「あのデモ隊の馬鹿どもが!」
安倍訪中の二ヶ月前、北京で「外事工作会議」が開催されました。ここで胡錦涛主席が演説し、対日関係を改善し、中国経済への協力と支援を活発化させ、今後も日本から一層の資金と技術を手に入れる方針が確認されました。会議の要約は人民日報に掲載されています。この記事を中国語で読めとまでは言いませんが、外信部をつうじても翻訳文くらいは手に入るはずです。しかし、安倍訪中について論じた各紙の記事にはそうした中国サイドの事情を深く読み込んだ複合的な記事は見当たらず、ひたすら日本側が靖国神社参拝を中断したことだけが関係改善の理由であるかのように、特筆大書されていました。これでは欠陥報道を批判されても止むを得ません。プロなら最低限、本物の商品を売るべく努力すべきではないのでしょうか。

追加
福田総理の訪問にも関連しますが、中国はかなりやばい状態に陥りつつあります。昨今の経済指数、首脳の発言、メディアの報道など、まるで89年の天安門事件前夜を思わせるほどです。物音はまだかすかにしか聞こえてきませんが、いずれなにかが起こるでしょう。






推薦本
核を売り捌いた男(ゴードン・コレーラ・ビジネス社)
北朝鮮の核開発をひそかに支援した人物といえばパキスタンのドクター・カーン。彼を中心に、中国、北朝鮮、イラン、リビアと拡大し続ける核の闇市場の実態とこれを追求するCIAやMI6の知られざる活動を紹介したもので、筆者はBBCの現役記者である。
これを読むだけで、良し悪しは別にして冷戦終了後、世界各国が国家の生存をかけて、核保有に全力を注いでいる現実がよくわかる。対して、わが国はどうか。
中国の核も北の核開発もどこかよその国のお話である。
リアリズムなき国民はリアリズムによって報復される。この本を読めばいやでもそんな感想をもつ。

核を売り捌いた男ー死のビジネス帝国を築いたドクター・カーンの真実
ゴードン・コレーラ 鈴木 南日子
ビジネス社 (2007/11/13)
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友人の『電脳補完録』の主催者・山本さんの協力で、ブログをはじめることにしました。いつまで続くのか、自分でも自信はないのですが、取り合えず、1年間は続けます。
東アジアの諸情勢が本格的に動き始めました。背景にあるのはアメリカの覇権の歴史的な衰退で、それに伴って、アジアのパワーバランスは100年ぶりに一変しつつあります。こうした鳥瞰的な視点を踏まえつつ、虫瞰的に情勢を論じていきたいというのがブログの開設の趣旨です。

安定的に成長を謳歌してきた中国ですが、短期的にはあやうい局面に入ってきたと見ています。理由は、経済の先行きに楽観視できない兆候が現れてきたこと、成長の代償として生まれてきた社会矛盾(格差と共産党の腐敗の蔓延)が巨大な不安定要因になりつつあるからです。中国をGDPの数字(それも当局の恣意的数字の可能性が高い)だけで判断するのは止めたほうがいいようです。先の17回共産党大会では人事だけに焦点があつまっていましたが、なぜ胡総書記の報告の中で『開放』政策が繰り返し強調されていたのかを考えておくべきでしょう。

朝鮮半島も要注意です。確実に米国と北朝鮮の『和解』(正常化以前に、当面は両国間の信頼醸成と緊張緩和が最優先される)が近づいてきた。来年早々、米国国務省主導で、対北テロ国家指定が解除されるはずです。(米朝正常化にはハードルが高いとの論評もあり、それはそれで事実なのですが、問題はいまや『正常化なき正常化』の関係が着々と進行していることで、ブッシュの『裏切り』は確実に日本のナショナリズムの台頭と米国不信を高めるでしょう)。
現在さまざまなルートから流されている『テロ指定解除』についての各種の報道は、解除による日本世論の反発や批判に備えた事前の情報リークとみるべきです。解除の方針はすでに決定済みです。
福田内閣は1月の訪中までに『解除シフト』に動きだすはず。福田政権の誕生とは米中の仕切るアジア秩序を日本が受け入れ、草の根のナショナリズムを上から管理することにあります。だがそれがスムーズにいくのかどうか。米中が恐れているのは福田内閣の動向ではなく、「拉致処分」が生み出す日本人の反応、世論の動向です。

また来年は台湾総統選挙がある。現状では馬英九国民党候補の勝利が噂されていますが、彼の主張する中国大陸との話し合い路線は大陸投資を生命線にする財界の融和姿勢を背景にしています。台湾独立派と融和派の選択は形をかえた東アジアにおける日中対決の側面をもっています。東アジア情勢は戦後の日本のあり方を否応なしに日本人に問いかけてくるはずです。
そんな話をぼちぼちと書いていきます。


●書いています 発売中です。
『ニッポンの恥!』(別冊宝島リアル「自民党の媚中政治家」)
『誰も報じない中国の真実』
(オークラ出版・『中国人御用学者たちの正体を見抜け!』など6本書きました)

●11月20日、『正論の会』で講演しました。(『対中援助は必要か』)出席していただいた方には御礼申し上げます。話し終えて、まだまだ対中ODAにまつわるでたらめさや両国政治家や援助団体の具体的な「闇の実態」が知られていないことを再認識しました。
福田政権で08年に終了する対中ODAに替わるエネルギー、環境支援が『復活』するのは時間の問題でしょう。この検証作業も始めます。

『チャンネル桜』の『報道ワイド』(11月27日午後8時〜)で、アジア開発銀行の中国周辺諸国への「地域開発援助」について、安全保障の観点から解説しました。
日本の北朝鮮『制裁』はこの日本が最大の出資国(15・7%・米国と同率)である国際援助団体から最初に解除されることになりそうです。

●荒木和博氏が主催する戦略情報研究所のニューズレター「おほやけ」に田原総一郎批判を書きました。今年1年間、月に2回投稿します。政府の支援を断りながら戦っている荒木さんたちの「男気」に連帯したいということで、書くことにしました。
購読料は年間1万円で、毎月の講演会に無料で参加できます。(なお投稿した原稿について質問があればご連絡を。お答えします)
問い合わせ先は『戦略情報研究所』のHPへ
http://senryaku-jouhou.jp/

●友人たちに声をかけて、来年早々からこじんまりとした勉強会を開催します。月1回、3時間です。開始からしばらくは、私が講師を務めます。
テーマは
第一回『日露戦争のアジア的影響』 
毛沢東の日露戦争論               08年1月
第二回『ロッキード事件とはなんであったのか・再検証』
田中角栄非公開発言から             2月
第三回『米朝「和解」、米中再接近後の東アジア情勢』
どこに向かう日本のナショナリズム        3月
です。





青木直人講演会のお知らせ
第1回
「田中角栄とはなんであったのか」

8月28日(土)
18時~20時30分
※終了いたしました。
DVD予約受付中!

第2回
中国経済はどこに行く
~日本企業を待ち受ける「危険な斜面」

10月23日(土)
18時~20時30分

どちらも
会場 文京シビック3F第1第2会議室
参加費 3000円



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