青木直人BLOGでタグ「北朝鮮」が付けられているもの
今日も簡単に。
必要があってここ数年の総合雑誌に掲載されたアジア関連の記事を読み漁っています。感想を言えば無残です。朝鮮半島についていえば、米中関係を背景において北朝鮮情勢を見るという視点がないのです。これは台湾も同様で、ここでも米中デタントという情勢の変化を読み込んでいません。なかでも運動論に立脚した記事ほどそれが露骨です。
22日の台湾総統選挙は残念ながら馬英九国民党候補の勝利の流れです。また同時に開催される台湾名の国連加盟国民投票も展望は明るいとはいえないようです。
仮にそうなれば、朝鮮半島といい、台湾といい、保守派の米中対決論を下敷きにした分析はことごとく裏切られることになります。
北朝鮮について私が疑問でならないのは、なぜかこういう方々は「ライスが悪い」「ヒルのバカタレが」という批判だけを繰り返すことです。ライスもヒルもブッシュ大統領が任命し、彼の外交的枠組みのなかで「一生懸命」やっているのです。議会やメディアがいくら叩こうとも、です。
なぜこんなことがわからないのでしょうか。「ライスとヒルのバカ」がやっているのがブッシュ外交なのです。なぜブッシュは変身したのか。その真摯な総括なしに情勢を語るとすればまたまた同じ過ちを積み重ねることになるでしょう。
ブッシュを正面から批判できない脆弱な「保守」。ダメだ、こりゃ、とドリフのチョーさんが生きていればそういうでしょう。「右」も「左」もワシントンに、北京に、と「お願い」だらけの「美しくない」ニッポンばかりが目につきます。
世論調査を見ると、政権を支持する最大の層は高齢の女性たちである。多分理由は福田がなにもやらないことで安心感を与えているのだろう。この世代は若くはない。何よりも「安定」を最優先する。何も変わらないことが一番なのである。思えば安倍政権や小泉政権は騒がしかった。憲法改正やイラク派兵、靖国神社参拝をめぐる中国とのごたごた。「もういや、話し合えばわかるでしょ」「目くじらを立てて、怒鳴りあうなんていや!」というのが彼女たちの気分なのである。
前任のふたりに比べて、福田さんには安定感がある。雰囲気も上品だし、家柄もいい。『大人』だ。中国や韓国との関係も改善された。これが「なんとなく」支持の理由なのではないか。福田内閣は『これまでのままが一番』の世論に支えられたモラトリアムな政権なのである。
危機を危機と感じることのない人たち。モラトリアムのなかで永遠の安らぎを感じる幼子のような人たち。 なにもしない首相だからこそ、頼りがいがあるという錯綜。
福田に安心しているのは朝日新聞をはじめ記者クラブ制度など日本独自の既得権に守れた体制メディアや、戦後体制見直しに恐怖感すらいだく民主党や社民党ら既成政党も同じである。面白いことに彼らもまたまず『話し合い』ありきで、それが不可能であっても、代案を出そうとはしない。ここでも何もいじくらないことが一番いいことなのだ。太平の眠りはかくも深い。
だが、なにもしないことで政権を保つ福田内閣に北朝鮮はいらだち始めている。この事態を打開しようとすれば、国論は割れる。福田を支持した高齢の女性の支持は急降下するだろう。
なにもしないことで福田は生き延びている。
友人の『電脳補完録』の主催者・山本さんの協力で、ブログをはじめることにしました。いつまで続くのか、自分でも自信はないのですが、取り合えず、1年間は続けます。
東アジアの諸情勢が本格的に動き始めました。背景にあるのはアメリカの覇権の歴史的な衰退で、それに伴って、アジアのパワーバランスは100年ぶりに一変しつつあります。こうした鳥瞰的な視点を踏まえつつ、虫瞰的に情勢を論じていきたいというのがブログの開設の趣旨です。
安定的に成長を謳歌してきた中国ですが、短期的にはあやうい局面に入ってきたと見ています。理由は、経済の先行きに楽観視できない兆候が現れてきたこと、成長の代償として生まれてきた社会矛盾(格差と共産党の腐敗の蔓延)が巨大な不安定要因になりつつあるからです。中国をGDPの数字(それも当局の恣意的数字の可能性が高い)だけで判断するのは止めたほうがいいようです。先の17回共産党大会では人事だけに焦点があつまっていましたが、なぜ胡総書記の報告の中で『開放』政策が繰り返し強調されていたのかを考えておくべきでしょう。
朝鮮半島も要注意です。確実に米国と北朝鮮の『和解』(正常化以前に、当面は両国間の信頼醸成と緊張緩和が最優先される)が近づいてきた。来年早々、米国国務省主導で、対北テロ国家指定が解除されるはずです。(米朝正常化にはハードルが高いとの論評もあり、それはそれで事実なのですが、問題はいまや『正常化なき正常化』の関係が着々と進行していることで、ブッシュの『裏切り』は確実に日本のナショナリズムの台頭と米国不信を高めるでしょう)。
現在さまざまなルートから流されている『テロ指定解除』についての各種の報道は、解除による日本世論の反発や批判に備えた事前の情報リークとみるべきです。解除の方針はすでに決定済みです。
福田内閣は1月の訪中までに『解除シフト』に動きだすはず。福田政権の誕生とは米中の仕切るアジア秩序を日本が受け入れ、草の根のナショナリズムを上から管理することにあります。だがそれがスムーズにいくのかどうか。米中が恐れているのは福田内閣の動向ではなく、「拉致処分」が生み出す日本人の反応、世論の動向です。
また来年は台湾総統選挙がある。現状では馬英九国民党候補の勝利が噂されていますが、彼の主張する中国大陸との話し合い路線は大陸投資を生命線にする財界の融和姿勢を背景にしています。台湾独立派と融和派の選択は形をかえた東アジアにおける日中対決の側面をもっています。東アジア情勢は戦後の日本のあり方を否応なしに日本人に問いかけてくるはずです。
そんな話をぼちぼちと書いていきます。
●書いています 発売中です。
『ニッポンの恥!』(別冊宝島リアル「自民党の媚中政治家」)
『誰も報じない中国の真実』
(オークラ出版・『中国人御用学者たちの正体を見抜け!』など6本書きました)
●11月20日、『正論の会』で講演しました。(『対中援助は必要か』)出席していただいた方には御礼申し上げます。話し終えて、まだまだ対中ODAにまつわるでたらめさや両国政治家や援助団体の具体的な「闇の実態」が知られていないことを再認識しました。
福田政権で08年に終了する対中ODAに替わるエネルギー、環境支援が『復活』するのは時間の問題でしょう。この検証作業も始めます。
●『チャンネル桜』の『報道ワイド』(11月27日午後8時〜)で、アジア開発銀行の中国周辺諸国への「地域開発援助」について、安全保障の観点から解説しました。
日本の北朝鮮『制裁』はこの日本が最大の出資国(15・7%・米国と同率)である国際援助団体から最初に解除されることになりそうです。
●荒木和博氏が主催する戦略情報研究所のニューズレター「おほやけ」に田原総一郎批判を書きました。今年1年間、月に2回投稿します。政府の支援を断りながら戦っている荒木さんたちの「男気」に連帯したいということで、書くことにしました。
購読料は年間1万円で、毎月の講演会に無料で参加できます。(なお投稿した原稿について質問があればご連絡を。お答えします)
問い合わせ先は『戦略情報研究所』のHPへ
http://senryaku-jouhou.jp/
●友人たちに声をかけて、来年早々からこじんまりとした勉強会を開催します。月1回、3時間です。開始からしばらくは、私が講師を務めます。
テーマは
第一回『日露戦争のアジア的影響』
毛沢東の日露戦争論 08年1月
第二回『ロッキード事件とはなんであったのか・再検証』
田中角栄非公開発言から 2月
第三回『米朝「和解」、米中再接近後の東アジア情勢』
どこに向かう日本のナショナリズム 3月
です。









