青木直人BLOGでタグ「救う会神奈川」が付けられているもの

昨日、「拉致日本人を救う会神奈川」の一般講演に荒木和博調査会代表らとともに参加しました。そこでの話のエッセンスを。やや辛口です。

①残念だが、チベット蜂起は事実上鎮圧されたとみるべきである。反乱の中心地域であるチベット自治区・ラサでの活動は軍事的に抑え込まれ、さらに反政府運動も甘粛省などチベット族居住区内にとどまっていて、他民族との連帯を通じた非チベット族地域への拡大に成功していない。事件はあくまで「チベット族」の住む「チベット地域」だけの戦いに収斂しつつある。

②中国共産党は国民の分断統治に巧みである。彼らの「智恵」に深く学ぶべきである。
少数民族の蜂起だけで政権が倒れることはない。革命の中核勢力はいまも昔も労働者であり、農民である。「社会主義」市場経済はかっては「社会主義の主人公」と呼ばれていた彼らを社会の最下層に落としている。逆に最大の既得権益グループは党政府の高官と家族たちである。文化大革命から40年、「党内の実権派」(北京大学大字報)は完全に復活し、政権を手にした。もはや絶望的な格差の解消は不可能である。

③89年の天安門事件は都市における反政府運動が内陸の農村地帯に広がらなかった。毛沢東の大躍進政策に始まる農業の集団化(人民公社)から個人農業に変わったことで、生産意欲の高まった農民は天安門事件に沈黙することで政府を「支持」したのである。
だが農民の所得はこの時点がピークで、以後相対的な「貧困化」に拍車がかかっている。年頭に出される「一号文献」はここ5年間「三農」問題(農民、農村、農業)に集中している。それでも離農はとまらない。農村の解体にこそ中国崩壊の兆しがある。

④社会科学院のレポートによれば現在中国社会には10の階層が存在している。中国共産党は13億もの国民を分断して統治、非抑圧階層集団を個別に孤立させ、押さえ込んでいる。今後も動乱はあるが、当面は「点」にとどまって「面」に拡大する可能性は小さい。また中国の成長はアジアNIES型の中産階級を育てるよりも、上下の経済格差の大きなラテンアメリカスタイルである。中産階級による「平和的革命」は期待できない。またなによりも彼らは改革開放の既得権益集団であり、政治的傾向は安定重視であり、保守的である。

⑤チベット蜂起に連帯することは貴いが、日本が中国政府に加担して、漢民族の少数民族浄化に手を貸している事実が知られていない。
日本が最大の出資国であり、総裁を送り出しているアジア開発銀行は四川省や甘粛省の高速道路建設に合計で700億円ちかい「援助」を与えている。ここを経由して解放軍の部隊が内陸に向かうのである。
新疆ウイグル自治区はさらにひどい。この地域を「解放した」のが人民解放軍の王震将軍であり、彼が対日利権の最大の窓口である中日友好協会の名誉会長であったことから、日本のODAも相当行っている。なかには現地幹部(漢民族)用に温泉まで作っている。もちろん私たちの税金が出所である。
日本の援助がチベットなど少数民族への弾圧と無関係ではないという自覚が日本人の長期的な支援の継続には不可欠だろう。

⑥福田首相が毒餃子事件について中国政府に抗議しないのは、「相手側を刺激しない」という「政治戦略」(笑い)以上に、日本政府が中国に反論することで、小泉内閣当時のように、対立が日中両国政府間と国民の間のナショナリリズムの激突につながる可能性を恐れているからである。財界と外務官僚が最も嫌うのがこうした事態の勃発なのだ。
だが事態は小泉時代と本質的には何も変わっていない。次のハードルは北京五輪である。8月の北京で反日排外主義と中華愛国主義が爆発する。
その結果、日本の草の根の対中感情はさらに悪化する。過剰な排外主義は経済の失速と失業の増大に伴って、共産党攻撃に向かう可能性はある。労働者も農民も公然とこう言い始める。「共産党は本当に私たちの味方なのか。外国企業の買弁ではないのか」と。
やがてチベット以上の衝撃が中国共産党を痛打するかもしれない。だが共産党はひとまずは安心である。なぜなら反政府の側に「毛沢東」が不在だからである。
全国的反乱を指導し統一できうるリーダーと組織はまだ出現していない。
ありうる可能性は共産党の分裂ではないか。


注:一部、文言を削除した部分があります。この部分に関してはいずれ詳細なレポートを行う予定です





青木直人講演会のお知らせ
第1回
「田中角栄とはなんであったのか」

8月28日(土)
18時~20時30分
※終了いたしました。
DVD予約受付中!

第2回
中国経済はどこに行く
~日本企業を待ち受ける「危険な斜面」

10月23日(土)
18時~20時30分

どちらも
会場 文京シビック3F第1第2会議室
参加費 3000円



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